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ごった煮な部屋
拍手11(長編夢・ああ、そうでした/火神)
アメリカに来て、タツヤに会って。中々友達が出来なかった俺は、タツヤに会ってから、バスケを通して友達を増やすことが出来た。


だから、あいつを見た時、何か変だと思った。英語でよろしく、とは書いていたけどその瞳には何にも映っていなかった。


「待てよ。友達になろうぜ!」


引き止めてそう言ったらさも面倒そうな顔で間に合ってます。と書かれた。


「何が間に合ってんだよ!」


その日から、俺と雪哉の攻防は続いた。

お互い多分意地になっていただけだと思う。でも、何だかその追いかけっこみたいなやりとりが少し楽しかった。



【何でそんなに俺に構うの】


体力がある方な俺達はかなり長い間その追いかけっこをしていたんだろう。雪哉から折れて、スケッチブックにそんなことを書いた。

「......俺も、小学生ん時こっちに来て中々友達が出来なかった。タツヤに会って俺はバスケで友達が増えて。んでちゃんと皆いい奴らだってお前にも知って欲しくて...勝手なのは分かってっけど、でも」


段々自分でも何を言ってるか分からなくなってきて。いつも通り白けたような顔で見られてんのかと思って顔を上げたら。


「っ、」


笑顔の雪哉がいて。

【俺達、同じだったんだ。火神はもっと社交的な奴かと思ってた】

「しゃこうてき?」

【頭悪いんだっけ?】

「うるせぇ!」


さっきまで、全然笑わなかったのに、急に笑い出すようになって。

反則だろ、そんな笑顔。

その日から、仲良くなって、タツヤと三人でいることも増えた。でもタツヤと喧嘩みたいになって、日本に帰ってきてしまった。

置いてきてしまった、恨んでんじゃねぇか、とか思ったけど。



【大我?】

「何だ?」


また日本で会って隣で会話をしている。

【何かボーッとしてるけど風邪か?】

俺の額に手を伸ばす。

【うん、まあ何とかは風邪引かないっていうもんな】

「わざわざ長文書いてまで人を馬鹿にすんな!」

たまにまたそんな追いかけっこみたいなことになって。雪哉は笑う。


やっぱり俺の勝手なんだろうけど、雪哉の笑顔を守りたいと今でもそう思う。

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