[通常モード] [URL送信]

長編夢
10話
「白戸ちんー」

『ん?』

紫原に後ろから乗っかられる。重い。

「峰ちんに名前で呼ばれてるってほんとー?」

『そうだね。俺も大輝って呼んでるよ』

キセキの世代って意外と噂好きだな。

「じゃあ俺も雪哉ちんって呼ぶね?」

『どうぞ』

何の対抗意識なんだろうこの子達は。

「俺のことは?」

『敦、でOK?』

「雪哉ちん大好きっ!」

思いきり紫原に抱きしめられる。

『ぎ、ギブギブ...苦しい...』

「あー、ごめんね?」

特に悪いとも思ってなさそうなのが憎らしい。

「てゆーか雪哉ちん細すぎ。何kg?」

またその話題か。

『量ってないからわからない』

けど特に知りたくない。

なんて思っていたら自分の体が宙に浮いた。

「暇だし量ろうよ」

『...俵担ぎするな』

「しょうがないなー」

俺はてっきり放してもらえると思っていた。

『お...わ!』

「お姫様だっこならいい?」

『恥ずかしすぎて飛び降りたいので、俵担ぎに戻して下さい』

周りがざわざわしている。

俺逃げたい。

何で俺が、少女漫画の女子側の王道を体験しなくちゃいけないんだ。

「わがままな雪哉ちん」

これ多分黄瀬ならぶん殴ってる。





「とーちゃく!」

『放してくれ...』

「あ、体重計の上で暴れたらひねり潰すよ?」

怖い。

無垢な表情で言うのやめて。

そんな訳で体重計の上に乗せられた。

実はその前に身長測られた。

160cmだってさ。

「えーと...48kg!?」

『...え!?』

あれ...俺そんな...体重だったわ。

確かに中2の体重だ。

「雪哉ちん、お菓子あげる」

『あの、別にお腹空かせてないから』

それに、大体中2の平均身長・体重だと思うんだ。

お前らが規格外なんじゃー!

保健室の扉がガラ、と開いた。

「白戸くんと紫原くん...どうしたんですか?」

黒子だった。

「身体測定してた。ねえ、黒ちんの身長と体重何?」

「僕ですか?160cmの52kgでしたよ」

『...嘘だ...』

黒子より細身なんて...信じない。

「雪哉ちん、48kgだってさー」

「そ...れは、軽いですね」

あ、今嬉しそうな顔しやがった。

『敦、俺に恥をかかせたのでお菓子しばらく作らないことに決めました』

「!?雪哉ちんごめんなさい!!」

何か結局黒子にまで泣きつかれたので許してあげることにした。



[*前へ][次へ#]
[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!