短編集 その@
星空を見よう(竹中半兵衛)

彼女は、変わっている。
率直な感想だった。


「お〜い!」

呼ばれて、溜息。

君は判っているのか?

君は『人質』だよ?

それなのに、気落ちした雰囲気すらない。
一体、君は何を考えているのか、僕には理解出来ない。
嫌、理解しよう、としたのが間違いなのかも知れない。

何度も吐いた溜息。

「星空が綺麗な場所、知らない?」

「星空?」

「そう。星空」

にっ、と、笑う彼女。

その笑顔は、子供の様に純粋無垢の様に感じた。

「星を見るのは好きなのかい?」

こんな事を聞きたい訳じゃない。

けれど、言葉として洩れる。

「ああ。星空を見るのは好きだぜ。色々、判るしな」

「君の一族は天文を見るのが得意だったね」

「だから、さ」

一緒に見よう?


彼女の、突然な誘い。


「…僕と、かい?」

「アンタ以外に、誰が居るんだ?」

きょとん、と、した表情で見つめてくる。

「……居ないね」

「だろ?」

してやったり、と、した表情に変わる。

くるくる、と、表情の変わる娘だ。

半ば、諦めた様な溜息が洩れる。

「行き詰まってんだろ?リフレッシュは必要だぞ」

「りふれっしゅ?」

聞き慣れない言葉。

今度は逆に、小首を傾げた。

「気分転換」


なるほど、ね。

彼女なりの配慮、か。

なら、たまには応えてあげようか。

行き詰まっているのは、事実だから。

ここは、彼女の案に乗ってみよう。




一緒に、星空を見よう。





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あとがき

ゲームで、半兵衛使わないから、判らないよぅ(T-T)



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あきゅろす。
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