短編集 そのA
新たな掟 (白ひげ海賊団)
今日も、快晴。
絶好の航海日和。
シャナメルにとっては、絶好の布団干し日和。
『んしょ……』
エースの掛け布団を手すりに引っかけ、パンパン、と布団を叩く。
『🎵』
「機嫌良いなぁ」
「………ぬくぬくの布団で眠れっから嬉しいんだよ」
「シャナは極度の寒がりだもんな」
「あァ。でもよ、夜は寒いみたいでよ、この海域を出るまで、一緒に寝るんだと。おれは暑いけどな(--;)」
「あ〜、暑いよぃ」
パタパタ、と、掌を団扇がわりにしながら、呆れた表情でエースを見る。
エースは、ばつが悪そうにそっぽを向く。
すると、
「4時の方角!!敵船10隻発見!!!」
その声と共に、ドォン、と水柱が次々に上がる。
四皇白ひげを討ち、名を挙げようとこうやって、無謀にも闘いを挑んでくる輩が後を立たない。
先日も闘いを挑まれ、追い払った。
暫くは来ないだろうと思って、シャナメルは布団を干した。
だが、その読みは外れた様だ。
『( ̄□||||!!』
「ゲッ!!!」
ビシャッ、と、干した布団に海水が掛かる。
それを目の当たりにしたシャナメル。
フルフル、と、肩を震わせている。
「や……ヤベェ……」
エースがポツリ、と洩らす。
「マルコ!!サッチ!!下がれ!!!巻き込まれっぞ!!」
「何がだよぃ!!!」
「メルちゃん!!避難………ヒェッ(|| ゜Д゜)」
サッチはシャナメルの表情を見るや否や、飛び上がるように驚いた。
『ボクの邪魔をするなぁー!!!(# ゜Д゜)
ディー・スティル・セシオン!!!
魔天を守護せし、星々よ!!
天に集いし、その影を落とせ!!!
シャドー・フレア!!!』
無数の黒い影が、敵船の回りに集い、一気に襲いかかった。
ドン!!!ドドドドド!!!
敵船は、一気に木っ端微塵となる。
船の残骸が、波間を漂い、海をさ迷う敵船のクルーは、海王類や鮫の餌になっていた。
「「………ヒェエエ……」」
「……云わんこっちゃねェ(--;)」
『ふぇええええ……ぬくぬくのお布団が〜o(T□T)o』
エースは小さく溜息を吐くと、泣きじゃくるシャナメルを抱き寄せる。
「よーしよしよしよし。今日も一緒に寝ような」
『お風呂も一緒に入るo(T□T)o』
「はいはい(--;)」
「エ、エース……今のは一体……」
「メルは睡眠の邪魔をする奴は許さねェンだよ」
「何ですと!!」
「それがおれだったら、拗ねるだけで済むんだけどな(-_-;)」
ポンポン、とシャナメルの背中をあやしながら、苦笑いを浮かべる。
「エースだけじゃねェのかよ!!!」
「何がだ???」
サッチの叫びに、エースは小首を傾げ、マルコは痛む頭を押さえる。
そして、直ちに発せられた新たな掟。
『眠るシャナメルを起こすべからず』
これを徹底させたのは云うまでもなかった。
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あとがき
就寝時がエースを独占できるらしく、何時も、早く夜にならないか、と楽しみにしている様です。
2017.03.17
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