短編集 そのA
🌟くじ引き (白髭海賊団)
とある島で、島中の一大イベントのくじ引きが開催されていた。
そこには、己の運の強さを試そうと、様々な人達で溢れ返っていた。
モビーディック号は、偶然、その島に立ち寄っていた。

「四枚あるぞ(^-^)」
「アンジュも引きたい!!」
「おれもおれも!!」
「…………」

エースの子供達も、わくわく、どきどきしながら自分達の番を待っていた。
カランカラン、と大きな鐘が鳴り響く。

「おめでとうございます。緑は4等のハンカチでーす(^^)」
「ハンカチかよ!!!」

チッ、と舌打ちしながら、立ち去る者や、喜ぶ者、様々な感情が、尚更、子供達を興奮させていた。

『あ、いたいた。エースくーん』
「おかしゃん!!」
「メル。どうした?」
『きっと、足りないだろうって思って……』
「ちび達に引かせてやろうと思ってな」

ビスタとシャナメルは、子供達にくじ引き券を渡す。
アンジュの瞳がきらきら、と輝く。

「くじ引き券………(*^^*)」
「何回引けるの?」
『合計6枚だから……一人2回づつね』
「わぁいヽ(*´▽)ノ♪」

子供達のはしゃぎように、大人達は柔らかく笑う。

「次の方〜……」
「おれ達の番だ♪ヽ(´▽`)/」

わくわく、する心のまま、子供達は、くじ引き券を渡す。

「一人2回ね〜。頑張って(*^^*)」
「先ずはおれからな」

ラーズが、持ち手を握り、からん、と回す。
すると、出てきたのは、白と黄色の珠。

「おめでとうございます。白は5等の割引券、黄色は3等の果物バスケットでーす」
『ラーズ、スゴいよ。フルーツタルト作れるよ(*^^*)』
「……ちぇ(# ̄З ̄)」

シャナメルは我が事の様に喜ぶ。
ラーズにしてみれば、1等を当てたかったようだ。

「次はおれ〜」

2番手、ルースの番。
勢い良く回し、出てきたのは、白い珠が二個。

「割引券……(;_;)」
『そのチケットで、何か買おうね(*^^*)』

どうやらルースも1等を当てたかったようだ。
その落胆は凄まじいものであった。

「おとしゃっ……(;_;)」
「アンジュ、大丈夫だぞ。おとしゃんもおかしゃんもついてるからな(*^^*)」

プレッシャーに耐えきれず、怖くなったのか、アンジュがエースの手を握る。

『大丈夫よ。ほら、行ってきなさい(^-^)』
「「頑張れ、アン」」

どきどきしながら、取っ手を握り、回す。
コロン、と出てきたのは、赤と青の珠。
カランカラン、と盛大な音が鳴り響く。

「おめでとうございます!!!」
「ふぎゃっ!!おきゃしゃ〜!!!o(T□T)o」

いきなりの大声と、盛大な鐘の音に驚いたアンジュはテーッ、とシャナメルに駆け寄り、泣きじゃくる。

「1等の真珠のペンダントと、2等の地酒の樽でーす(^-^)」
「「へ?」」
『!!(゜ロ゜ノ)ノ』
「「アンジュ、すげェ」」
「おきゃしゃ〜o(T□T)o」

泣きじゃくるアンジュを他所に、エースは真珠のペンダントが入った箱と、地酒の樽を持ち上げる。

「ほれ、帰るぞ〜」
「おきゃしゃあo(T□T)o」
『よしよし。今日はおかしゃんと一緒に寝ましょうね』
「「アンジュだけズルい!!!」」
『………はいはい。じゃあ皆で寝ましょうか』
「やったあヽ(*´▽)ノ♪」
「(# ̄З ̄)」
「父親が拗ねてンじゃねェよ(--;)」

不満、と、顔にデカデカ書いてあるエースに突っ込みをいれるビスタ。
子供達は、シャナメルと一緒に眠れるのが嬉しいらしい。

『お酒はどうしよう……』
「親父行きか?」
「おれのだぞ(# ̄З ̄)」
『ペンダントはアンジュのね(*^^*)』
「おかしゃー(;_;)」

シャナメルは、まだ泣き止まぬアンジュを背負い、子供達と帰路についたのだった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



モビーディック号に着くやいなや、ニューゲートとマルコが出迎える。
そして、くじ引きで起こった事を、話始める3人。

「グララララララ……跳ねっ返りのじゃじゃ馬娘もプレッシャーに弱かったか」
「その酒はどうするよぃ」
「ンなもん、おれが呑むに決まってるだろ!!グララララララ」
「「やっぱりか!!!」」
「なぁに云ってンだ!!!おれが呑むに決まってるだろ!!!親父!!!」

マルコ、ビスタが突っ込み、子供達はケラケラ笑う。

『ふふっ。ボク、とっても幸せよ(*^^*)』

シャナメルの独り言は誰にも聞かれる事はなかった。


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あとがき

結局、お酒はニューゲートの腹に収まりました。

2017.03.07

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あきゅろす。
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