消えない虹の向こう側へ
興味無いのだよ
「ああ、跡部。堪忍な」
「何だ、ガッチャマン。待たせて居たのか。それはいけないな」
「…岳人だって何度云えば判るんだよ!」
「悪いが君に興味無いのだよ。チャッカマン。興味があるとすれば、君の跳躍力だ」
「あーーー、お前はそう云う奴だよ。人体の神秘にしか興味無いもんな」
「流石はキッコーマン。良く判っているではないか」
「それは醤油のメーカー!!」
「…で、君は誰……ふがっ」

悠香は慌てて、奏荼の口を覆う。

「珍しいね、跡部クンがここに来るなんて」
「待てど暮らせど来ねェからな。わざわざ俺様が迎えに来てやったんだろ」

フン、と鼻を鳴らす。

「プガッ!悠香クン、君はボクを殺す気かね。お花畑が見えたよ」

はあはあ、と、肩で息を整える。

「お前が人の名前を覚えない奴だからだろ」
「君も彼等を束ねるの大変だろう、佐々部クン」
「だから、佐々部って誰だよ!!」
「……何だ、この失礼な女は」

冷ややかな空気が流れる。

「女呼ばわりの方が失礼だと思うぞ、窓辺クン」
「誰が窓辺だ!!」
「違ったか。それは済まない。何分、君達に興味が無いのだよ。それに君達と話をしているだけで、この纏わり付く視線が疎ましい」

ぎろ、と嫉妬と羨望の眼差しが奏荼に注がれている。

「…どうしようか」
「どうしようも何も、さっさと解散したら良いんじゃない?」
「それもそやな。ほな跡部、岳人。行くで」
「ガッチャマン、弁当箱は君の母上に渡しておいてくれ」

そう云うと、悠香は奏荼を連れて、教室を後にする。

「オモロい奴ちゃな」
「奏荼は誰でもああだから気にするな」
「気にしてねェよ」

そう云って、教室を後にした。






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