消えない虹の向こう側へ
従兄と部長クンは、デキていたのか
余計なちょっかいをせずに、さっさと顔だけ見せて帰れば、こんな面倒な事にはならなかった。
奏荼は己の浅はかさを呪った。

「なるほどねえ。確かに心配するのは当たり前だよ。桜井」
「………?」

小首を傾げて、国光を見る。

「…海音さん達は?」
「兄上達かい?さあ┐('〜`;)┌」
「………💢」
「本当に知らないんだ。ボクが寝ている時に帰って来ているみたいだからね。すれ違いだよ」
「お爺さんの云った通り、家に来れば良い」

余りの無頓着さに、国光は心配になったのか、そう誘ってみるものの、奏荼は首を横に振った。
どうやら、世話になるつもりはないようだ。

「両親が死んでからずっと、1人でやって来たからね。3番目の兄上が、毎日連絡をくれるし、兄上達の事務所の人も泊まって行ってくれるから、大丈夫だよ」
「無論、女性だろうな」
「…………」

奏荼の黙りに、国光は眉根を寄せた。

「ここからでも通えるだろう?」
「ギリギリまで寝ていたい」
「グラウンド15周だ」
「くぬぎクン、ドSだったのかい?」

奏荼の言葉に、国光の眉間のシワが深くなり、周囲は爆笑の渦に飲み込まれた。

「お前の考えが理解出来ない」
「???」

すると、くぐもった鈍い音が聞こえる。

「ちょっと済まない」

そう云うと、奏荼はその場で電話に出る。

「やあ、キリンクン……え?迎えに来てるのかい?うん…部長クンも一緒?えー、せっかく趣味に没頭出来ると思ったのだが…え?部長クン?そんなに怒らなくても…うん…?判ったよ」

プチ、と通話を終わらせると、国光に、

「部長クンとキリンクンがここに来ているようだから帰るよ」
「ああ。で、校門は判るのか?」
「あっち」

奏荼が指差した方を見て、盛大な溜息を吐いた。
どうやら違ったらしい。

「送って行こう」
「じゃあ頼んだよ。ではクチキクン、行こうか」
「………国光だ」
「そうだったね💦康光クン」

わざと間違っているかのように、名前を間違える。
これは最早、病気ではないか、と思わせるのには十分だった。









「よう、手塚」
「跡部…お前が奏荼の迎え…?」

怪訝そうな表情で、景吾を見る。

「奏荼…?」

どこかしら、景吾の機嫌が悪くなったのは気の所為だろうか。

「ハチミツクンとは従兄だよ、部長クン」

こう云う事柄に鈍い奏荼は、にこやかに、紹介するものの、火花を散らしている2人の耳には届いてはいない。

「キリンクン、どうして2人はにらめっこしているんだい?」
「…………」
「………」

奏荼の言葉に、崇弘は何も云えない。

「判った!!」

ポン、と、手を叩いて一言。

「部長クンと国風クンはデキて居たのか!!だからーーーー…」
「「気持ち悪い事云うな!!!!」」

と突っ込みが入ったのは云うまでもなかった。



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