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サイレントガール
マリーゴールドを散らして



あの日を境に、ヒートアップしていった陰険な虐め。


痣だらけになっていく肌は痛々しい。

ご丁寧に服で隠れる場所


……それはそれでいいんだけど。
私としても、その方が助かる。




見られたら2人に心配かけちゃうし……ね。




「奏ちゃん。この前、屋上に来れなかったでしょ?」




あ、そういえば。

私あのままじゃあれだったから保健室に寄ってたんだっけ。




うん。と頷いた。




「だから、洗って持ってきたから」




包みもして、まるで弁当が入ってるみたい。




『ありがとー!』

「どういたしまして」



クスリ、笑うチョタはすっごく可愛い!

でも私は小さいから首が痛いです、チョタ…




「今日はどうなんだ?」

『一緒に食べる!』

「うん。じゃあ迎えに来るね?」

『大丈夫!自分で行くから。先に行ってて!』


「じゃあさっさと来いよ。ただでさえトロいんだからな」

「日吉!ダメでしょ女の子にそんなこと言っちゃ!」




本当のことだけどね、意地悪するのが好きだよね、ピヨ。


でも、優しいのは知ってるよ。
こっそり猫にごはんあげてるの、チョタと見たから。


……あ、思いだした。次の授業って移動!

こんなところでのんびりしてらんない!



ぱたぱた、


「ん?」

「……」


『次、移動だから…』


「あ、わかった。じゃあお昼にね?」



『うん』




チョタは手を振ってくれて。

ピヨはポケットに手を突っ込んだまま無言で私を見ていた。

そろそろ移動しないと…!


教科書とノート。筆記用具を持って教室を出た。

あと5分、か。

間に合う間に合う!



タン、タン、階段を上っていって、降りてくる人は私を見ながらクスクス笑ってた。



嫌な感じ。


そう思った瞬間だった。目の前にいる数人の女子の誰かに肩を思いきり押された。



…………え?


足が浮く

宙に浮かんでいる身体。

一瞬見えた彼女達の顔。



「クスクス ばいばーい」




ガダダダ、バサバサ




色んな音が入り交じって


体のアチコチが痛い。



…頭が、痛い。



薄れいく景色の中で、誰かが私の名前を呼びながら走ってくるのが見えた。





彼女達は通行人の目撃者のように悲鳴をあげた
(それでも彼女達は歪んだ笑顔を浮かべていた)


マリーゴールド…意味は、嫉妬


120202



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