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幸せ音色
4



ザワリ、廊下から聞こえてくる話声と足音。
病院だから、やけに聞こえてくる。



「?なんか、賑やかだね」

「あぁ…テニス部の連中じゃ。煩くてスマンのう…」

「ううん、たまに賑やかでしょ?だから、お見舞いに来るってすぐにわかっていいなーって思って」

「そうかのう……。」



他の入院患者に迷惑な気がするが…。

そんな言葉は内にしまっておく。



「雅治君は、行かなくていいの?」

「なんじゃ、帰ってほしいんか?」

「ううん、そうじゃないんだけど…部長さんなんでしょ?」

「そうじゃが…」

「今日は来てくれてありがとう。」



仁王は荷物を持ち、肩にかけた。

そして遥の手を握ってから、ゆっくり離れる。

するするほどけるように離れる手は去っていくのを見えなくても感じてもらうため。


手が離れれば、遥は仁王が部屋を去るまで、ドアに向かって手を振っている。



「また来るぜよ」



わざと音を立てて閉めて、仁王は一息つく。






「あれ?仁王じゃん」

「ブンちゃん」



赤い髪、ガムを膨らましながら近づいてくる。

仁王の前に来て、病室の名前を見る。



「お前の用事って、ここに入院してる人かよぃ?」

「お前さんに関係なか」

「ひでー!」




煩い…。

そう思いながらも幸村の病室に足を向けた。
……ブン太を置いて。





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あきゅろす。
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