Borderline
踏み出す一歩2
「いい仲間…か。当然だろう?雲雀さんは俺達の仲間なんだし」
「うむ」
「拒絶など、するわけないだろう」
幸村、真田、柳。
それに頷くメンバー。
私。
今日、おかしい。
目が、熱い。
カタン
音がして、視線をそっちに向けたら、幸村が私をそっと抱き締めてきた。
心臓の音が、静かに一定のリズムで聞こえてくる。
「これからも、よろしくね」
幸村の声が、やけに嬉しくて。
じぃん、とくる心の温かさや、目に溜まる涙が、とめどなく流れてくる。
「……っ、…ふ……」
「おもいきり、泣いていいんだ」
「…ゆ、き…ら……ぃん、な……っ…ご、めん……グスッ…」
幸村の胸に顔を押し付けて、見せたくない涙を隠した。
撫でてくれる頭。そろそろと握ってくれる誰かの手を握り返して。
私の泣き声だけが、響いて教室に溶け、消える。
瞼の裏で、アルヴィスが笑っているように見えた。
彼らとの境界線をこの手で消して。
「……これからも、よろしく」
一線を越えた付き合いを始めようか。
END...
090524
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