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Borderline
お化け屋敷3







朔弥さんがお化け屋敷を出てから、何かがおかしい。

先にゴールしていた朔弥さんは立海の人たちに囲まれていた。

切原に抱きつかれて、心底嫌そうな顔をしてる。

あまり話さない、のはいつものことだと思うが。



「…若。」



俺に気づいて、声を掛けてくる。



「怖くなかったですか?」




半分、冗談のつもりで聞いてみた。
表情こそ変化はなかったが、視線を他所に向ける。

無意識なのかもしれない。それでも、表情に出さない分微かな変化はある。



「(怖かったんだ…)朔弥さ…「日吉ぃぃ!!」



ちっ



ガバッと音を立てて背中に乗ってきた芥川さんにため息を溢した。



「こわかったCー!!」

「意外とノミの心臓なんですね。」

「酷Eー…」




一言。

たった一言話しただけ。

いや、話した内に入らないだろう。




朔弥さんは俺から離れていった。
芥川さんが来なければ、もっと話せたに違いない。




「さっきから思ってたんだけど、あの子と知り合いなの?」

「はい」



なかなか人に心を開かない朔弥さんですからね。
大抵の人にとって、第一印象は最悪だろうな…。




「あの子、可愛いよね〜」

「…………いい加減退いてください。重いです。」









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090510
(追加修正:090518)
―――――――――
かわいいなんて

言えるわけないだろう?







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