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Borderline
柳特製ジュース






朔弥の件が終わって間もない。

俺達に話をした後、木下と檜山にも話をしていた。

2人は泣きながら朔弥に飛びついていて、その時の朔弥は穏やかな表情をしていたのを覚えてる。

俺たちよりも時間がかかったところからすると、いろいろ打ち明かしたんだろう。


まだぎこちない部分もあるんじゃけど…前よりは近づいたと思うぜよ。



そして放課後、朔弥とブン太。3人で部活に行くのが日常だんたんじゃけど…朔弥が既にいないナリ。

2人に聞いたら、さっさと行ってしまったようだ。


なんじゃ、つまらんのぅ…



ブン太も来たことだし、仕方なく2人で部活に向かった。

コートで既に練習しているやぎゅー。

ホント、真面目じゃき…。



部室に入ろうとしたとき、声が聞こえた。

この声は、参謀と朔弥じゃな。

中から聞こえる声。まぁ、参謀がいるなら着替えているんじゃなかろ。




ガチャ
「朔弥〜置いていくなよなー」

「早いんじゃな」

「柳に、呼ばれてて」




そう言っている朔弥の手には、なんだか不気味な黄色と黄緑色のマーブルジュース。




「貞治からヒントを得てな。作ろうと思って…その試作品だ」




貞治?どこかで聞いた名前じゃ…。

……って、待て。それって青学の不気味データーマンこと、乾じゃなか!?

ということは、噂に聞く乾汁のような……





「待つんじゃ朔弥!!それを飲んだら……!!」


コクン

「………なに?」




飲んじゃった、ぜよ……ι




「なんとも、ないんか?」

「明らか妖しい色だったぜぃ?ι」





ジッとグラスを見ている朔弥は何ともないようだ。

差し出してくるその変な色のジュースを手にとっておそるおそる飲んでみる。

……意外と酸味がきいておいしい。






「失礼だと思わないのか?仁王。俺は貞治のような飲み物は作ろうとは思わない。」

「焦ったぜぃ…」

「で、どうだ?雲雀。お前の要望に合わせて作ったものだ…効果は得られるはずだ」

「不味くない。飲める」

「そうか。それは良かった。苦労して失敗を重ねたかいがあった」






サラサラと書き込んでいく参謀。

失敗作は誰が飲んだのか聞いてみたいもんじゃ…。

多分、真田だろう…。

ここ数日、朝練が終了した後倒れた姿を見たしのぅ。





「いきなりどうしたんじゃ?」

「なにが」

「それ、頼んだことだぜぃ」

「もうすぐ、合宿だから…疲労を取っておきたかった」




こういう、素直なところがかわいいのぅ…

ゆるむ口を抑えて、着替えにかかった。


合同合宿まであと、わずか…











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090530


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