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Borderline
コートの安全地帯






雨も降っていないのに、今日は室内練習。

柳いわく、練習の一貫らしい。

真田と赤也、柳はその室内で練習をするから、そっちに持ってきてほしいと言われた。


レギュラーは別室。レギュラー以外の人たちがコートを使って練習をするらしい。

タオルとドリンクを持って渡しに行く。




「朔弥先輩!」

「……離して」




抱きついてくる赤也から逃げることはなくなった。

たまに抱きつかれるけど、面倒な時以外は回避している。




「なんででっすかー?」

「これから、コートの方に持っていく…」

「えー…」

「……離れて、切原」

「!!……離れるから赤也って言ってくださいよー…」



大抵、こういえば離れてくれるからまだマシ。

ただ、仁王は別。

離れないから厄介だ。だから捕まる前に抜けていく。



「俺もついてっていいっすか?」

「………」

「あ、今休憩中なんで!」




ルンルン、といった感じで私の隣を歩く。

ドリンクを持ってくれて、私はタオルを持って練習場に向かった。

練習中の部員にタオルを置いて、持ってきてもらったドリンクで補充をする。





「危ないです!!雲雀先輩!!」




焦るような声。

ボールが飛んできているんだろう。



「……」




咄嗟にトンファーを取り出してボールを弾いた。

当たったボールは打ちあっているコートに戻っていった。

唖然としている部員をよそにトンファーを仕舞って作業を再開する。




「平気っすか?朔弥先輩!」

「平気。ボールも戻したから」

「それは見てましたから…怪我してないっすか?」

「してない」




赤也が走ってくる。

心配してくれているけど、あれ位で怪我はしない。




「よかったー…」




ふぅ。と一息つく赤也を連れて、コートを後にする。

ニコニコな赤也は隣から離れない。





「朔弥先輩、よく当てましたね!すごいっす」

「?大したことないと思う。」

「えー?大したことある「赤也あぁぁぁぁ!!!」




怒鳴り声とともにこっちに歩いてくる真田。

もう少し声を押さえてほしい。

隣に立つ赤也はさぞ嫌そうな顔で真田を見ている。



「やっべ…怒ってるよ、真田副部長…」

「貴様!こんなところで何をやっとる!!」

「すいませーーん!!」




がしっと後ろの襟を掴まれ、ズルズルと引きずられながら引き返していく真田。

その後ろを私は歩く。

その後、赤也は練習を強化されていた。






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090419


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