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Borderline
まずは、一歩2




部活に行けば、既に私たち以外全員いて。

真田が私たちに向かって遅いと言っていた。

じっと真田を見ていたら頬笑みを向けてきて





「お前のことではない」






頭を撫でられる。

なんでどの人も私の頭をなでるのか不思議だ。





「真田は雲雀に甘いのぅ」

「弦一郎は雲雀のこと気に入っているからな」




柳が微笑する。

はぁ。と溜息を零していると、後ろから赤也が突進してきた。

正確には、抱きつきに来た。と言ったほうが正しいかもしれない。




「朔弥先輩!遅いっすよー」

「あ!赤也!!雲雀から離れろぃ!!」

「そんなこと言っちゃって〜。丸井先輩、俺が羨ましいだけでしょ?」





私を挟んでの会話で、赤也は少し前に顔を出して丸井に話している。

後にいる仁王は、ニヤニヤ。


何でいつも私の後ろにいるのかは不思議だ。





「ちげぇ!!…って、なんで赤也は雲雀のこと名前で言ってんだよ!」

「昨日朔弥先輩と話した時に言ったんスよ。ねー、先輩!」





ニコニコしながら私にくっついてくる。

溜息がこぼれる。

視線を赤也に向けて。





「歩きにくい…少し離れて。」


「はいはーい」




一歩くらい離れた。

あと4、5歩位離れてほしい。

それに、後ろが仁王というのは、落ち着かない。

後ろを向けば、目が合って。





「安心しんしゃいこんな場所で抱きつきはせんよ」




ポケットに手を突っ込んでいた。






「皆、こんなところで何サボっているのかな?」

「!!……幸村部長…」

「フフフ…仁王、赤也、丸井、20周しておいで。」





笑顔を崩さないまま、言いのける幸村。

なぜかみんなの顔色が悪い。




「雲雀さん。今日もよろしくね。…と、その前に、話をしたいんだけど、いいかな?」





ひとつ頷いて、タオルとドリンクの準備をしてから話をすることになった。

すぐにはあの3人帰ってこないだろうし、他のレギュラーは練習を怠る人達ではないらしい。


大きめの部室にあるベンチらしき椅子が向い合せにあって、そこに座った。


にっこりと笑ってくる、幸村はじっと見てくる。

多分、観察力はいいんだと思う。





「ふふ、そんなに警戒しなくてもいいよ」

「……」

「マネージャーになってくれてありがとう。」

「……」


「おとなしい子、なんだね。
それとも、また別の意味があるのかな?」





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