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Borderline
勧誘の兆し





「あの2人も心配症じゃな」

「違うだろぃ、あれは。」




〜勧誘の兆し〜




連れてこられた場所は以前、柳生に上着を返しにきたあの場所だ。

女の群れを抜けて中に入れさせられる。



「外じゃよく見えないだろぃ?」

「このベンチに座って待っておきんしゃい。俺達は着替えてくるぜよ」




2人は部室と言われている部屋に入っていった。

あそこで着替えているらしい。

目の前にあるコート。打ち始めている人たち。

黄色いユニフォームを来ている人が何人か。

見たことのある人が2人。

その内の一人、柳生と目が合った。





「こんにちは、雲雀さん。来てくださってありがとうございます。」

「…別に平気」

「仁王君たちは、着替えているんですね?」




部室に目を向けている。

柳生は今、休憩中らしい。




「真田君と幸村君に言ってきますので、ここで待っていてください」




真田…?幸村…?


柳生は走って真田と幸村という人の所へ行った。

帽子をかぶっている人と、その近くには肩にジャージをかけている人。

一見、帽子の人は同じ高校生には見えないが…柳生と同じユニフォームを着ているから、多分そうなんだろう。


ボールを打っていた真田と思われる人はラケットをおろして柳生と話しだした。

幸村と思われる人も、話しに参加し始める。

そこにまた誰かが話に参加して、たまにこっちを見ながら話している。




「………」



サッ




「…なんでわかるんじゃ…。」

「……」




ベンチからタイミングを見計らって立ち上がった。

後ろに立っている仁王は不思議そうな顔をしている。


気配とか言ったら疑問に思われるからあえて言わないけど。




「人とのスキンシップはあまり好きじゃない」

「それなら、練習せんとな♪」

「……」




3人。

歩いてくる音が聞こえて後ろを向く。

さっき話していた人たちで。




「えっと、紹介しますね?部長の幸村君と、副部長の真田君と、柳君です。」


「いらっしゃい、雲雀さん」

「今日は突然すまぬ。」

「そこに座って見ててくれ。何か聞きたいことがあったら遠慮なく聞いてくれて構わない。」

「……」

「…では、練習に戻りますので。」




柳生がそれだけいうと仁王を連れていった。

まだ、丸井が部室から出てきてない…と思ったが、丁度のようだ。



ガチャ


「雲雀〜!」

「…何?」

「見てるだけって退屈しねえ?」

「知らない」

「まださー、ジャッカル来てないみたいなんだよね。」




ガムを膨らましながら、こっちを覗いてくる。

コートに向けていた視線を、丸井に向けて溜息を零す。




「だから何」

「雲雀ってテニス部知らねーんだろぃ?俺が教えるぜぃ!」




と言って、隣に座るとラケットをくるくる弄びながら話し始めた。


部長の幸村精市は神の子とも呼ばれていること。

副部長の真田弦一郎は皇帝とも呼ばれてること。

柳蓮二はデーターマン。部長、副部長を含めた3人は3強といわれていること。

レギュラー全員のことを教えてくれた。


別に教えてくれなくてもいいんだけど。




部長の幸村って言う人のことを話す前にジャッカルという人が来たらしい。

丸井はラケットを持って走っていった。





「丸井と仲がいいんじゃな」

「……」

「仁王君。雲雀さんにちょっかい出すのはやめたまえ。」




眼鏡を持ち上げて言うのは柳生。

動いていたせいか、汗が流れている。…仁王もだった。




「すみません雲雀さん。後でしっかり叱っておきますので。」




別に何に怒る必要があるのだろうか。

休憩の時間を使って話に来てくれるレギュラーの人たちにうんざりして、今日を終えた。







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