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彼と私の恋物語
皮肉の言葉 1





アルヴィスが任務に向かった翌日、天気もよく仕事も一段階ついていた朔弥はボンゴレの庭にその姿があった。

緑が覆い茂る庭に通る風が心地よく感じる。

髪が長くなって来ていて、時々髪が風に撫でられるように吹き抜けていく。



その庭の一角で、ぼんやりとしている時だった





「う゛お゛ぉぉい!朔弥!!」


『…?』




ガサガサ音を立てて近づいてくるスクアーロ。

眉間にしわが寄っているのはいつものことだろう。


とはいうものの、確かスクアーロはザンザスと任務に行ってたはず。


本来はここにいないと思っていたのだが…。


帰っているということは、任務が終わったんだろう。





「ザンザスが次の任務ことでの話らしいぜェ!」


『ザンザスが?今行く!』







[彼と私の恋物語]〜story.4〜







「おせェ…」


『ごめんなさい、庭に居たの。…で、何か?』


「任務内容は読んだのか?」


『昨日渡されたから。ザンザスは?』


「……」


『また燃やした?』


「うるせェ」





相変わらずな俺様に、溜息を零した。

昼間の日差し以外、電気をつけようともしないこの人は、ギシリ、音を立てて立ち上がって。





「準備しろ」




のたった一言。





『今から行くの?』






そう聞いただけなのに、睨みつけられた。

文句あるのか。そう言いたそう。



準備という準備はない。

ザンザスさんとの任務だし、そう長くないだろう。



常備しているトンファーとワイヤーを感触で確認した。

これ以上の準備はない。





『私はこのままでも大丈夫』


「行くぞ」





私の横をよぎって、ドアに向かっていく。

それに続いて、ザンザスの後をついて行った。















「朔弥ー」





廊下の途中で会ったエルマーに声をかけられて笑みをこぼす。

チラッとザンザスさんを見てみるけど、待ってはくれないようだ。





『今から任務なの』


「そう…ザンザスとなのかー。気をつけていってらっしゃい」





私の頭に手を置いて、ゆっくり撫でてくれる。そこからスルリ、抜けて歩き始めた。

後ろを振り向けば、私の方を向き手を振っていて。

行ってきます。と小さく手を振り返して、ずかずかと先を歩くザンザスさんを追いかけた。




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