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咄嗟にフォルセティアはソニードで移動し、麗那の前に立って斬魄刀に手をかけた。



タッ



降り立つ音に、ウルキオラが体を向ける。

そこに居たのは間違いもない、オレンジ色の髪をした死神――黒崎一護だった。




「井上と麗那から離れろ」

「そのつもりだ。俺の役目は藍染さまが帰還するまで虚夜宮と麗那を守ること。女を殺せという命は受けていない。
命が下るまでこの女は生かす。俺は…だがな。」




ヒュン、と風を切る音がした。

麗那の前に立っているフォルセティアは斬魄刀を抜き、織姫の喉元に切っ先を向ける。

一護は目を丸くし、フォルセティアを睨んだ。




「織姫を離せ」

「……」

「コイツは藍染様の命で動くやつではない。前にも言っただろう」

「…っ!……まさか…」




今まで話してきた会話、少なかったがフォルセティア自ら口にしたセリフが脳裏をよぎった。

“麗那様に従う破面”だということを思い出し、麗那に目を向けた。




「麗那はコイツ…フォルセティアにある命を下した。
“死神の皆殺し”そして“全ての敵を排除すること”だ。」

「……フォルセティア」

「はい、ウルキオラ様」

「この女を殺すのは、この死神を殺してからだ」

「…招致いたしました」



フォルセティアは逆らうことなく斬魄刀をおろした。

麗那は相変わらず何も言わずにただ見ているだけ。
ウルキオラは刀を抜き、一護に狙いを定める…排除の対象。

同時に動きだし、ウルキオラと一護の闘いが始まった。


「………」


麗那は事の始まりを眉ひとつ動かさずに見ているだけだ。
まるで、何も起こっていないかのように。フォルセティアは横目でそれを見ると悲しげに瞼をおろして、ウルキオラへと視線を向ける。
余裕で戦っている様子に安堵し、早く日常が始まれば良いと、心から願った。





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