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「俺から、山じいに掛け合う。破面のことは心配すんな」


麗那は聞いていなかった。
兄の言葉すら耳に入らず、ただひたすら顔を手で覆って涙を隠す。



「お前の大事なモン、また奪っちまったな…すまない、こんな兄でごめんな…麗那」


織姫が麗那の前でしゃがみ、治療を再開する。
消え失せたフォルセティアの残骸となった白い砂を握りしめている姿を全員が黙ってみていた。


白哉はルキアの抱えているものを見、微かに目を見開くと繭のようなそれを地面に置くように指示した。
鼓動を打つように中が蠢き、ルキアも驚きながらも丁寧に地面に置けば、麗那の手が伸びてきた。


「!麗那…」
「起きて、くれるの…?」
「起きる?」
「そう…目を覚まそうとしてくれている…」


するり、撫でた手に糸のようなものが絡み付いて麗那の指を包み込んだ。
周りは驚いたものの、麗那は笑みを浮かべて目を閉ざした。
まるで、受け入れて安心したような表情で。




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