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兄妹シリーズ
妹離れ大作戦?(一氏)





兄がアレなら妹も?

私をよく知らない人はそれをたびたび口にしている。

ユウジが小春ちゃんと仲がいいのは認める。
ホモといわれようが私には関係ない。

だって、私は私だもんね♪


「妃奈、もうすぐ授業始まる…って、窓の外なんか見て何かあるん?」

「んー、面白いもの。」



光とは同じクラスのお友達!
最初は一氏って言われてたし、まあ、不自然じゃないでしょ。
男子が女子の名前呼ぶ時なんて名字を呼び捨てる。

でもね、私とユウジが一緒にいるとき、光に呼ばれて。


『一氏』
『『なん?』』
『…先輩やなくて、妹の方。』
『『ややこしい!!』』


ってことで、光は私のこと妃奈って呼ぶようになった。
ユウジのことは一氏先輩とか…まあ、色々。
光だけ名前呼びとかなんか厭だったから、私も便乗して財前から光へと変わっていった。


「面白いもの?……ああ、あれか」


窓の外、校庭には小春ちゃんとユウジ。
たまに男前になる小春ちゃんが今、発動されています。
小春ちゃんの腰に腕をまわして泣きついているユウジについつい笑っちゃう。


「あっちは体育何だね」

「どうでもええけどな」


ポッケに手を突っ込んで一緒に見ていたら、後ろから教師の声が聞こえた。



「おーい、そこのバカップル!授業始めるぞー」

「アハハ、バカップルやてー。いっそユウジの前でディープなキスしてみる?」

「酷やな、妃奈。泣くで?きっと」


確かに。でも、泣くっていうより泣き崩れそうだよね、立ち直れないほどに。
私が言うのもなんだけど、ユウジって私のこと溺愛してるし。
前に「光がねー?」って言ったらものすごい形相で「かかかか彼氏か!?光って、財前光か!?あんの生意気なピアスの!!」って必死になるからびっくり。
まあ、流れで付き合い始めたんだけど。


「…でも、面白そうやな」

「せやろ?どうせ付き合ってるんやしええかなって」



放課後、部活始まる前の教室でやってやるかって。ことになった。
光も乗り気だし、えへへ、キスなんて久しぶりだなー。
わくわくしちゃう!



ニヤニヤしながら授業受けて。放課後、迎えに来るユウジを光と教室で待ちながら他愛ない話をしていた。
光は手を繋ごうって言うたら呆れながらも指を絡めてくれる。うん、恋人の特権だよね。


「もうそろそろ…やな」

「ああ、ユウジ来るのが?」

「謙也さんも、来る」

「へ?なん…」



す、っと顎をあげられたと思ったら光の唇に塞がれた。
前キスした時も思った、光ってキスすんのうまい。

本当に、うまい。
思考回路とか、うまくまわんない。


「ん、ひか…、息、できな」


うそ、全然聞いてないし。
しかも1回が長い。

離れようにもぎゅう、って抱きしめてきて離れられない。
トントン叩いてようやく息ができると思ったら、角度を変えただけ。

ああもう、腰砕ける…!!


ガラッ
「妃奈ー?」



「……んはっ、」



うげえ、やっと離れた。
やっぱり腰ぬけたやんか、光のアホ。

もう寄りかかってやる。

ん?あ、いつの間に来たん?ユウジ。
気付かなかった。
しかも謙也先輩とすごい顔してる。


「ひ、ひひひひ光っ」

「邪魔せんといてください、謙也さん。今ええとこなんですから」

「き、キエェエエエエエエエ!!!!」


うおっ、ユウジきもいよその顔。



「妃奈が穢れたぁああああ!!!」



おんおん泣きながら教室を飛び出していった。



「ふっ、あははっ」

「?どないしたん」

「ううん、謙也先輩もユウジもおもろい反応!」

「ああー確かに」


「?え、ええ?」



謙也先輩、純だからかな。めっちゃ顔赤い。
しかも混乱してるとみた!


「謙也さん、すぐに行くんで先に部活いってもろてええですか?」

「え、あ…、おん」


パタパタ廊下を走り去っていく音が聞こえて、段々小さくなっていくと光が笑いだした。
謙也先輩もそうだけど、ユウジおもろかったもんなー


「ユウジのあの顔みた?えらいキモかったぁー」

「断末魔の叫びやったな。」

「じゃあ次は何してからかう?」

「妃奈の好きにしたらええんとちゃう?」

「ふふっ、じゃあ、ゆりゆりしようよ」





「は?」






(こ、小春ぅぅうう!!妃奈が、妃奈が大人の階段登ってしもたぁああ)
(あら、前からイチャイチャしてたわよ?)
(せやかて、き、キキキキ、キスしてた…しかもディープやで!?)
(何キス位で慌てとんの?ユウ君もそろそろ妹離れしたら?)



END...
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