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兄妹シリーズ
過保護な光は私の兄(財前)




私は財前妃奈。

四天宝寺の天才と呼ばれている、財前光の双子の妹だ。



「私も四天宝寺中に行きたかった…」




何度目…いや、何百回目の呟き。
そう、私は光と同じ中学に通ってないのです。

光に反対されました。
別に仲が悪いわけじゃないよ?多分…


そうでなきゃ、同じ部屋で寝ないだろうし…。あ、ベッドは別ですから。
如何わしい関係じゃありません。

寝室が同じなだけで、光とは別に自分の部屋もある。
パソコンをいじるのが光の趣味で、その部屋でマンガを読むのがすごく居心地いいからよく部屋に遊びに行くんだけど。



「今からでも転校しよっかな…」

「アカン」

「………なんで?」

「なんでも」




はあ、ため息ついて光のベッドでゴロゴロする。

なんでだめなんだろ…



(あ、この前私がおいてっちゃったぬいぐるみだー…)



大きなぬいぐるみを抱きかかえてまたゴロゴロ。

転がってたら「やめなさい」って怒られた。




「でもさー、試合とか練習試合とか見に行ってもいいじゃん!なんでそれもダメなの?」

「なんでも」

「さっきからそればっか…」




ぷう、頬を膨らませてベッドから起き上がる。
パソコンの画面にくぎ付けの光に、後ろからぬいぐるみごと抱きついた。



「うあ!」

「へへへ、驚いた?」

「……はあ」

「ええ!?溜息つくようなこと!?」

「じっとしとき。後でストテニ連れてったるから」

「ホント!?やった!」



光は強いし、いい練習相手なんだよね!うわあ、わくわくするなー
早く早くーって言って準備をした。

光のテニスバックも持って。


パソコンを休止状態にした光は面倒くさそうにバックを私から受け取ると兄さんと義姉さんに「行ってきます!」と、可愛い甥っこの頭を撫でて出発した。
歩いてて何度か溜息吐かれたけど・・・まあ気にしない。

まあ、そんなに遠くなくって。
10分くらいの所にあるし、チャリの必要もない。


近づいてきたところで、なんか打ち合ってる音が聞こえた。

誰か使ってるのかな…。

覗いてみたら白い髪の人と茶色い髪の人が打ち合ってた。
ちなみに、2人とも男。

光が「げ。」って言ったの聞こえた。



「妃奈、他の…」

「あれ?財前やん」

「……はあ…」



茶髪の人が声をあげた。
あれ?光の知り合い?

ガックリと肩を落としてるんだけど、そんなにいやなのかな…

あ、白い髪の人とこっち来た…




「こんにちは」


うっわ、満面の笑みだよ。
かっこいいよ、身長高いよ!


「こ、こんにちは。
…え、光の知り合い?」

「最悪や…」


「失礼なやっちゃ。先輩に向かってー」

「せやでー?なんでがっかりされなアカンの?それと…」



この子誰?


って、私か。
財前妃奈です。って言ったら目を丸くしてた。
途中で光が止めようとしてたのはなんで?



「え、財前…妃奈?」

「はい」

「よう似とるなー思てたけど、まさか兄妹?」

「はい、双子の妹です。いつも兄がお世話なってますー」

「あーほんま最悪や。」


えええ、なんでそこまで嫌がるのさ。
そんなに私を紹介したくなかったの?


「かわええ子やん。なんで教えてくれかったん?」


白い?髪に包帯を巻いているお兄さんに頭を撫でられた。
うっわ、めっちゃ良いにおいがするー…って、私変態みたいじゃんか。
隣の茶髪っぽい人は光と何やら言い合ってるし。



「先輩らに教えたないっすわ。何のために四天宝寺に通わないよう必死になってたと思うんスか」

「え、じゃあ私が光と一緒の学校行けないのって……」

「あー…妃奈、ちょお向こうで準備しとって」

「話そらさんで答えてよー」

「行け。帰りにお菓子買うたるから」

「!ラジャ!!」



うわーい、光が妙にやさしい!
なんかありそうで怖いけど。見返りがありそうやけど。
お菓子、何買ってもらおうかなー♪



過保護な光は私の兄

(光、もしかして妹にゲロ甘…?)
(シスコンとみた。)
(妹に手を出さんといてくださいね。)
(妃奈ちゃんかー、俺好みやなー)
(部長、シバきますよ)


END...
100305
―――――――――――――
絶対に過保護になるよね、光。
そんな気がしました。


あきゅろす。
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