兄妹シリーズ
歪んでなんかいないわ(一護)
一にいは、いつも怪我して帰ってくる。
昔っから怪我はする方だったけれど、今回はまた別。
死神の仕事をし始めてから、一にいの日常は変わってしまった。
《お父さん》
《ん?なんだ?》
私は知ってるよ。
お父さんが死神の姿で仕事をしていたことも、一にいがルキアさんを連れてきたあの時…やられたフリしてずっと見てたから。
お父さんもね、霊圧を極限まで下げてたんだよ…知ってた?ねえ、一にい。
《なんで…なんで一にいを止めないの?》
《あいつなりに頑張ってんだ、俺が入るのもヤボだろ?》
ニッとした笑みを浮かべて私の頭を撫でてくれる。
安心して良いって言ってたけどさ…無理だよ。
ルキアさんが尸魂界に行って、一にいがたすけたのはわかるよ。
あれはね、ルキアのあの状態を見てしまったからなんでしょ?
でも、でもね。
自分の意思で虚圏に向かった織姫さんを、どうして助けるの?
「妃奈ちゃん。何みてるんや?」
「ギン…」
「…ああ、お兄さんが気になるん?」
そう言って、私の頭をなでる。
「違うよ。私はね、不思議で、ムカついて、大嫌いな人が気になって仕方がないの」
画面には、グリムジョーに引っ張られている織姫。
虚圏に来てから一回も見てないし顔も合わせてない。話もしない。
本当、この人を見ると吐き気がするの。
ウルキオラも、なんで気にしているのか…本当に意味がわからない。
私は現世はスキ。
お父さんも、一にいも、みんなみんな大好き。
《手を貸してあげよう》
藍染の言葉に私は手を取った。
私の判断で殺しても良いって言われた。
だから、その最高の時期を見計らってやる。
「妃奈は織姫ちゃんのこと嫌いなんやなあ」
「うん、大嫌い。他力本願で、自分では何もしようとしない馬鹿が、私は一番嫌い。」
「キツイ言葉やな」
「死んじゃええば、いいのよ」
そしたら一にいは、もう傷つかない。
ルキアさんのものなんだから……
歪んでなんかいないわ
END...
100810
ゆがんだーいもうとー♪
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