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そして君はサヨナラと言った
異なる、沈む、異色〜綱吉side〜








綱吉side



久しぶり、この場所…


すごく静かで…落ち着く。

精市君に何も言わないで来ちゃったけど、大丈夫、かなあ。
でも…一人でいたかった。

考えたかった…。

水面に顔を覗かせて手を伸ばす。


ねえ、もう一人の俺…聞こえる?


ねえ


「聞こえる…?」

『ああ。…どうした』

「ねえ、どうしよう…みんなが怖い」


友達なのに…
仲間なのに。

近づかれると、怖くて仕方がない。
そして思ったんだ。

精市君たちは――…


『………考えていることは分かるけどよ』

「もう、無理だよ…」

『なぜ?』

「だって、怖いんだもん。」

『言っただろう、記憶だと』

「俺は知らない」

『それでも、望んだことだろう』

「こんなの、俺じゃない!」

『綱吉…』

「ねえ……俺は、誰?」

『つなよし…?』

「それは、キミでしょ………?」

『違う、俺もお前の…』

「 キ コ エ ナ イ 」



聞こえないよ。


俺は誰なの?

どうしてこうなの?


ずっと知らないふりしていればよかった。

このまま浮かれていればよかったんだ。
目を閉じていれば…俺だけ我慢すればよかったんだ。

欲なんて捨てて…
そうすれば、精市君に迷惑…っ





こんな感情、捨てればよかったんだ。









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