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そして君はサヨナラと言った
引き起こされた記憶A




〜綱吉side〜



『骸、不機嫌だったりする?』
『…当たり前です』

眉間に皺を寄せている六道君。
隣に立っている人も、そう。


『その殺気しまってくれませんか?ヒバリさん』
『僕に指示する気?かみ殺されたいの』


ヒバリ、と呼ぶ俺は、六道君も含めた2人の殺気にびくともせず、笑顔で2人を見ていた。
どうしてそんな顔ができるの…?



『綱吉』
『綱吉君』


よう呼んでいる2人の声はとても穏やかで、心地よくて…
泣きたくなった。

でも、俺はこんなの知らない。
学生服を着ている俺は何をしていたの?

この2人は、ボンゴレっていう人?
俺に怖さを…怯えるのは、このひとたちのせいなの?


わからない。


《そうだろうな。でも、知りたいんだろ…本当のこと》


!……うん、ほんとうのこと知りたい。
あの人は言ったんだ。閉じこもるなって…言ったんだ。
何かあると思う。

俺も、いつまでも精市君たちに甘えてばかりじゃダメなんだ…

《無理するな。壊れる前に…俺を呼べ。俺にはお前しかいないんだ》


大丈夫。
大丈夫だよ…きっと、受け入れられるって、信じてる


《またそれか》


呆れた声…

でも、今でも怖い。
本当は立っているのも苦痛で、苦しくて、逃げ出したくて、嫌なんだ。





『じゅうだいめっ、楽しいコト…しましょうよ』
『ハハッ、こっからは逃げられねーのな』
『風紀を乱すなんて…死にたいんだね、キミ』


痛い!!
痛い痛い痛い痛い痛い!!!

頭が、割れそうだ…


『見なよ、下の口からもよだれ垂れてるよ』
『十代目のナカ、気持ちいいですよ』
『痛くしねーとお仕置きなんねーだろ?獄寺』


やめて。
いやだ…なんで笑ってんの
どうしてこんなひどいことするの

頭に直接流れ込んでくる声、音…
それすら聞きたくなくて耳をふさぐ。


《無駄だよ、綱吉…それはお前の痛みの記憶…目を閉じても見えるだろ…瞼に映るだろ…聞こえるだろ?》


ふさいだところで音がやむことはない。
目を閉じたところで見えなくなるわけではない。


《これは、お前が望んだことなんだ…》


粘つく水音がリアルに流れ込んできて吐き気すら感じた。
そこにいる俺は手を伸ばしても誰も助けてくれなくて、


『助けて…っ、ひぅ、ん…助けて骸!骸!!ヒバリさん…リボーン…だれか…だれ、か、あッ、んあぁああ!!』







「むく、ろ……」




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