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そして君はサヨナラと言った
僕が知る君は@



それは、本当に些細なことだった…

僕はまたくだらないことをしているんだ、って…そう思って眉間にしわを寄せていたに違いない。

応接室の窓から見える校舎にはボンゴレ10代目ボスの沢田綱吉。
そして腰巾着の獄寺隼人と、山本武。

認めたくなかったけど、僕は数年前にボンゴレの一員として肩書きを貰っていて。
以前よりも好きにできるようになった。

まあ、便利とは思っていたけど。



もちろん、自由にやらせてくれる代わりにボンゴレとして色々指示されたことも少なくなかった。
まあ、断ったけど。

ごたつきの始まりは本当にちいさいもので、「誰かが貧血で授業中に倒れた」とか、そんな程度の話しかならなかった。
好きだの嫌いだの、そんなの興味ないし・ね。


数日でそんなの消えると思った。
だって、くだらないじゃないか。



薄暗い倉庫裏でサンドバックにされている綱吉。

それでも彼は『やってない』と細々しい声で主張していたな。

僕は陰でその様子を見ていた。

慣れていたよ、僕は制裁を下す方だけど。群れをなして1人を叩くようなことはしないし。


痛々しい声も強い蹴りとうめき声に声が止んだ。チラリ、覗き見れば気を失っている綱吉しか居なくなってて。
誰もいないことを確認して綱吉に近づいた。



『なんで君は弱いふりをするんだい』


返事は、ない


『草食動物の皮をかぶった、僕の仲間…だよね、君。』


血を流して、固く閉ざされた瞳には、何も答えない。


『気に食わないなら、かみ殺せばいい。』





全校生徒を巻き込んだイジメ。


ああ、イライラする。


ため息混じりの呼吸をして、哲を呼んだ。
綱吉の治療をするように言って、応接室のソファで寝かせておく。

秩序が乱れるのは、嫌だからね。

並盛で死人なんて御免だ。



考えふけていたら、弱々しい声が耳に届いた。



『ひ、ひば、り…さん』

『やあ』



それだけ言って、放置。
動けるならさっさと帰るだろう、そう踏んで特に何かを聞こうとは思わなかった。

そしたら案の定、仕事の邪魔をしてきた。



『ひばりさん、は…なんで…なん、で?』

『君を助けたか・ってこと?そんなの決まっているでしょ。たまたま。偶然。君の事は溝端紫乃の事で聞いてる』



それっきり、口を閉ざしたままだった。

その後僕は、ボンゴレの方で日本を離れていた。妙な胸騒ぎもしたけれど。
案の定、綱吉は行方不明だし、ヒバードは『キエタ』と『バイバイ』を繰り返していた。



何日も何日も綱吉を探してみるものの、所在を掴むことすらできない。

苛立ちも膨れ上がってきているの、自分でもわかっている。



『雲雀恭弥』

『ワオ。君が此処に来るとは予想外だね。今忙しいんだ、かみ殺すのはまた後にしてくれないかい?』



ひどく、落ち着いた声をしているとは思っていた。

ボンゴレ主催のパーティなんて面倒だったけど、参加するファミリーを1つ1つチェックしながら、綱吉の行方を追っていて。




『聞いて、いただけますか?綱吉君の…ことなんです』



ピタリ、手を止めて骸をみやる。
やけに真剣な顔をしている。




『いいよ、話してみなよ』






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