そして君はサヨナラと言った
訪問者A
少しだけ目を細め、幸村を見る。
様子をうかがうかのようなその目に雲雀は気分を害したんだと思う。
むすっとした表情へと変わっていて。
「別に何もしないよ。」
「………ボンゴレに報告しないのかい?探しているんだろう?」
「関係ないね。僕は風紀を乱した綱吉の行方を追った。ただそれだけのことだよ」
ここにいるとわかった以上、もう詮索しないらしい。
「綱吉は、元気?」
「………まあ、ね。以前のような綱吉は、見られないけど。」
そう言えば、雲雀は眉間に皺を寄せた。
幸村の言葉で頭によぎったのかもしれない。
「君に頼むなんて不本意だけど。…綱吉、暫く此処に避難させておいて」
「(不本意・ね…)それは構わないさ。何かあるのかい?」
「今のボンゴレは綱吉にとって良くないからさ」
「…え?それはどういう」
「そのままの意味だよ」
“ボンゴレは綱吉にとって良くない”
それが何を意味して言っているのか、わからない。
ボンゴレ側の誤解だって…だから馬鹿みたいに懺悔でもしたいかのように、墓を造ったんじゃないのか?
頭の中を整理できずに、ぐるぐるといろんな情報が回る。
「危険ではないから、その辺は勘違いしないでよね。今のボンゴレは不安定だ。いつ、崩れてもおかしくないくらいに、ね」
NEXT...
100918
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