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そして君はサヨナラと言った
訪問者@






それは、突然の訪問者だった…

皆がざわついている中、俺の部屋に入ってきた蓮二は真剣な顔で俺を見る。
此処に居る綱吉に視線を向けているところから、騒いでいる原因に綱吉が関係している、とわかった。


「つーなっ」

「!…と、おやま、くん」

「なーなー、一緒に外いかへん?」

「あ、え…と」

「行っておいで」


俺を見ているから、一応助言しておいた。
そしたら、おずおずと頷いて遠山君と手をつないで部屋を出た。


「精市。とうとう、来てしまった」

「……そう。…、柳は綱吉と一緒に居てくれるかい?」

「ああ」


ひとつ頷いて静かに部屋を去っていく。

数分後かな。
俺の部屋に入ってきた人物に視線だけ向ける。
その後ろには真田が鋭い目つきで見ているけど、全然恋にしていないみたいだね。


「真田、行っていいよ」

「しかし幸村っ」

「さ・な・だ?」


うぐ。
そんな声を出して、渋々部屋を出て行った。

この人は、真田みたいなのは会わないだろうから・ね。



「……そろそろ、来るんじゃないかと思っていたよ」



執務室にある大きな窓から庭を見下ろす。
緊迫した空気の中、ソファーに深く腰をおろして足を組んでいる男は笑みを浮かべた。

心地よさそうな庭、木の陰に座っている綱吉は目の前に座っている遠山と一緒に花を摘んで花束を作っているようだ。
そこから少し離れた場所で木の幹を背もたれにして本を読んでいる柳と、隣でパソコンをいじっている財前。

パーティーから1週間が経って、綱吉の調子が良くなったことから誰かしら一緒に居てもらうのが条件で、外に出れるようになった。
調子が良くなった・とはいえ、ここ一週間でへんなことを言うのは変わりない。

遠山は綱吉を気遣いながらも楽しそうに遊んでいる。
つい、魅入ってしまいがちだ。



「いや…意外に早かった・の間違いかな」



ふんわりとした笑みを浮かべ、男の方を見る。
どうも不機嫌そうに目を鋭くさせて、足を組みなおした。



「これだけ行方を眩ませておいて、“早かった”?むしろ遅いくらいだよ」

「見つからない。という自信はあったんだけどね。まあ、情報はいつかそっちの耳に入ると思っていたよ」

「綱吉が消えて5年以上消息つかめず、漸く手に入れた情報…最初は驚いたよ」

「フフ…。どうやって、此処をつきとめたんだい?」

「僕がそんなこと君に教えるとでも思っているのかい、幸村精市。僕をあまり甘く見ないでくれる?」



妖艶に笑む男からは殺意があふれてくる。
それでも幸村は気にしていないような素振りで男を見やる。



「ひどいな、甘く見てなどいないさ。」



馬鹿にしたような言いようだ。
挑発していることも、幸村は承知している。

ゆっくりと歩き出して向かい側のソファーに腰をおろすと一息つく。



「………で?綱吉君の居場所が分かった君はどうするんだい?







――――――雲雀恭弥」






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