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そして君はサヨナラと言った
始動の合図はまだかからない





綱吉が部屋に戻ってきた。
それも、柳に抱えられている状態で……。

それは別に構わないんだけどね、どうも様子がおかしい。

柳は無言のまま綱吉をベッドに寝かせると俺を見た。
ああ、なんかあったんだね……?



「何か、あったんだね?」

「ああ」



冷静な声色だけど、不安がよぎった。
ベッドで寝ている綱吉に目を向けて前髪をすくい上げ、そして視線だけ柳に向ける。

綱吉の顔色が悪いな。
それに、頬に泣いた後が残ってる…

部屋を出る前も悪いことは悪かったけど…泣くような事態はなかった、はず。
だとしたら…



「骸に会わなかったかい?彼は綱吉君に挨拶すると言っていたけど?」

「ああ、会ったが、骸が来る前に起こったことだ…関係はない。と言いたいところだが、何とも言えないな。」

「それって、どういう意味っすか?」

「そう慌てるな赤也、それは順を追って話す」



柳は近くにある椅子に腰を下ろすことはなく、壁に寄りかかったまま話出した。

事細かく。部屋から出て、戻ってくるまでの一部始終を、ね。



正直、信じられないようなことだよ。




「――以上だ」




笑っている?

それは、いつのどの話になるんだ…?
俺たちだって笑う。


それなのに、綱吉君は笑っていることに対して極度の恐怖を抱いているようだし…。



「柳は、どう思っているんだい?」

「“過去”である確率が高いな」

「俺もそう思う」



今までそのような兆候はなかった。
ましてや、柳の話にあるようなことは一切…。


だとすれば、考えられるのはひとつ…か。



「ツナ、記憶が戻りかけているんとちゃいます?」

「光…」

「そうしか思えへん。怯える言うんでしたら、それしか…」

「財前君のいうことが一番に考えられることだね。今までと違ったことをしたとすれば…今回開かれたパーティだ」

「しかし幸村、行ったことを忘れているのであれば、それは違うのではないか?」


はあ…


「だからいつまでたっても馬鹿なんだよ、真田は」

「ぬあ!?」

「記憶として忘れてしまったとはいえ、引金になっていないとは言えないんだよ」




綱吉君が会ったのはリボーン、一部のボンゴレ…位かな。

9代目に会わずに戻ってきてしまったけど…まあ、仕方のなかったことだ。
後で文を送っておこう。きっと心配しているに違いない。

そう言えば、ザンザスは覚えているんだろうか…。
どこまで覚えていて、どこからわからないのか…下手に話することができない。




「綱吉君には追々聞いていくようにする。何が引金になってしまっているのか、突き止めないといけないしね」



それをつきとめて何をしようとするのか、それは後々決めればいい。
最優先にしなくてはならないのは、綱吉君が傷つけないようにすること。混乱を招くような発言を控えるためにも…。

過去の事を洗いださないといけないな。



「柳、ひとつ…大きなことを頼まれてくれないかい?」

「ああ。ゆっくり動くのも、いい加減飽きていたところだ。」

「ほな、こっちからは財前を貸したる。」



ああ、財前君が協力してくれるとなると力強いな。

確か彼はハッカーだったよね。



「ええな、財前」

「ま、ツナの為やしな。」

「助かるよ」






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100911


あきゅろす。
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