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そして君はサヨナラと言った
君の声@



「ツナ君はまだ見つからないの?」

「ハ…、申し訳ありません、白蘭様…。」




ソファーに転がってマシュマロをふにふにと潰して楽しんでいる白蘭は口にそれを運びながら、ある程度の距離に跪いている部下の桔梗に視線だけを向ける。



「ねえ桔梗君」

「はい」

「ボクね、明後日のパーティーであの子殺しちゃいそうだよ」

「白蘭様…」

「だってさ、嫌いなんだもん。今のボンゴレボスも、守護者も誤解だったとはいえ、綱吉君を痛めつけていたんでしょう?」

「そうですね…、沢田綱吉を陥れ、行方知れずになってから誤解と知ったと聞きますし。いくら謝るとはいえ……」



「ツナ君はもういない」




新しいマシュマロを手に取ると、まっ二つに割り、床に捨てた。
興味がないと言ってボンゴレとの同盟の話も中断。


彼のいないボンゴレなどなくなってしまえば良いのに。


真剣な目付きで呟くものだから、桔梗は何も言わず目を伏せた。


惹かれたのだ。
弱くも真っ直ぐな彼に。

まだミルフィオーレも成り立ったばかりだ。
知らないと言っても過言じゃあない。でも綱吉は知っている、と。ユニのファミリーと合併したことも。

ふと、顔に影が覆いかぶさり、視線をそちらに向けた。
そこには不機嫌そうな表情で立っている入江。何日も徹夜しているせいか、疲れが見える。



「こんなに散らかして…誰が掃除すると思っているんですか!白蘭さん!!」

「やあ正チャン♪ツナ君見つけた?」

「何が“やあ正チャン♪”ですか!もう!……綱吉君の件ではまだわかりませんよ。まったく情報が入ってきませんし、正直お手上げ状態です」

「でも死んでないんだろう?」

「はい。遺体が見つかっていませんし…。ああ、形だけの墓なら見つけましたよ」

「……墓?なにそれ。しかも形だけ?」


入江は思わず一歩後ろに引いた。

綱吉が死んだという確証すらないのに墓を造り、形だけでも葬っているなんて信じられない。
冷やかな目が入江に向けられる。

桔梗も冷や汗をかきながらも白蘭から視線を外さない。



「勝手に殺さないで欲しいよね、ホント。絶対にツナ君は生きてる…」

「確証はおありで?」

「まさか。ボクの勘♪早く見つけて同盟を結びたいな…ツナ君」








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