1 麗那の1日は実に有意義なものだった。 藍染たちと食事は共にとり、虚圏での散歩や読書をウルキオラと過ごす。 そして今日も分厚い本を読んでいた時のこと。 ぱたん。 (読み終わってしまった……) 何やら廊下からウルキオラと数人の声が聞こえる。 ゆっくりとドアを開けると、3人の男がウルキオラと話をしているようだ。 「けちくせーなぁ、ウルキオラ!」 「少々でよろしいんです。一応挨拶だけしておこうかと……」 「失せろ。何度も言わせるな……今は休んでいらっしゃる。」 一触即発な雰囲気でドス黒いオーラが漂っていた。 いや、話ではないようだ。どちらかと言えば言いあいだ。 「…ウ・ウルキオラ?」 戸惑いながらも彼の名を呼んでみる。 1人の名を呼んだつもりだったが、その場にいた全員が一気に振り向いた。 「……起きていてよろしいのですか?」 「あ、うん…えっと、そちら様は?」 「挨拶しに来たと。」 ウルキオラが私の前に来た。 表情から半分呆れているように見える。 「そうなの?」 ゆっくり部屋から出てきて、ウルキオラの隣に立った。 藍染が特別に用意した白で統一している、 ゆったり系のスカートとウルキオラ達と同じような上着を着ていた。 「はじめまして。如月麗那です」 柔らかく笑ってお辞儀をした。 4人は赤くなりつつも、名乗った。 「グリムジョー・ジャガージャックだ」 「シャウロン・ク―ファンです」 「ルピですぅ。早く元気になってくださいねぇ?」 「はいっ。心がけますっ」 満面の笑みを浮かべて4人に向けた。 なんだかウルキオラを除く3人の顔が赤くなっているように感じた。 ソレを気に留めることなく、麗那はウルキオラに視線を向けた。 「ねぇ、ウルキオラ?本読み終わっちゃったの。新しい本とかない?」 「あれで全部と申しましたが?」 「本読むんですかぁ?」 ルピが笑顔で麗那に聞くと、それに頷いた。 「ルピさん、持ってない?」 「ないですねぇ。あんまり本とか読みませんし…11番さんなら持ってるんじゃないですか?」 と、シャウロンに視線を向けている 「どのような本を?場合にもよりますが、文学系が主です。」 「そう………あ、藍染さんなら持ってるかも。ちょっと行ってきます。」 5人はその場で解散し、ウルキオラと一緒に藍染の元へ足を進めた。 「ねぇウルキオラ?11番ってルピさんが言っていたけど、シャウロンさんは11番なの?」 「はい。我ら破面は生まれた順に数字がつきます。それが11番以降。1〜10までは藍染様に与えられます」 「ウルキオラも?」 「はい。」 「何番?」 「……そのうちわかるでしょう」 藍染に色々な本を借り、それを部屋に持って行った。 |