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「ねぇねぇ、一護ってなんでいつも来るの遅いの?」

「んあ?…………あぁ、寝坊。」

「迎えに行く?」

「良いって。お前が遅刻するだけだぜ?朝いけねえ代わりに帰りは一緒に帰れば良いだろ?」

「……一護のいじわる。」

「わりいな、麗那。」












「麗那ー。授業おわったぞ?」



ふと、夢から覚めると目の前にルキアのドアップがあった。
その後ろには呆れた顔をしている一護が居て、跳ね起きた。



「!!!ぅわぁっ!!」

「まさかとは思ったが、寝てたんか?」

「…は、はい」


恥ずかしくなって顔を俯かせる。
クスッと笑う声がしたけど、


「お昼を食べに行きますわよ!!」



ルキアは麗那の腕を引っ張り、女子の集まっている処に行った。




「井上さんは、良く食べるんですね?」

「え?そうかなぁ。あ!!私のことは織姫って呼んでよ!?」

「え、あ…はい……」


少し脅されてるように感じたが、少し身を引いて返事をした。

互いに笑い、穏やかな日々が過ぎて行った。お昼を食べ終えた頃、一護が教室に居るのが見えてルキアが目を細める。



「麗那さん。ちょっと良いかしら。」

「あ、うん。じゃ、先に行ってますね」



その場にいる女子に微笑んでからルキアの後を追った。














「おう、ルキアと麗那。どうかしたのか?」



ルキアはイチゴの手をとり、いきなり歩きだした。

何が何だかわからない一護は麗那に視線を送るが目があったとき、麗那は苦笑をこぼしてルキアの後を追っているだけだ。

そしてとまった場所は


「一護に言いたいことがあるのだろう、麗那。」

「……よくわかりましたね、ルキア。」

「で、なんなのだ?私は外した方がいいのか?」

「ううん。いてください、ルキアにも聞いてほしいことなので。」



「……で、どうしたんだ?」

「一護。」

「「!!」」




懐かしむように。言いなれているように。

微笑んで、名前を呼ぶ。




「欠片だけど、思い出しました。久しぶりですね、一護。」

「麗那……本当に………?」

「うそをついても仕方ありません」



苦笑して、一護の前に立つ。




「お待たせしました。」

「麗那…」



一護は麗那を抱きしめた。




「どこまで、思い出せたんだ?」

「仲良く、話をしているだけで……関係まではわかりませんが」




無言でいた一護はそのまま麗那を抱き寄せた。




「………良かった。」




安心しきった声は、優しい声だった。
少しづつ思い出していく記憶の欠片。

楽しいこと、悲しいことが戻ってくるのが…わかった気がした。





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