2 「ねぇねぇ、一護ってなんでいつも来るの遅いの?」 「んあ?…………あぁ、寝坊。」 「迎えに行く?」 「良いって。お前が遅刻するだけだぜ?朝いけねえ代わりに帰りは一緒に帰れば良いだろ?」 「……一護のいじわる。」 「わりいな、麗那。」 「麗那ー。授業おわったぞ?」 ふと、夢から覚めると目の前にルキアのドアップがあった。 その後ろには呆れた顔をしている一護が居て、跳ね起きた。 「!!!ぅわぁっ!!」 「まさかとは思ったが、寝てたんか?」 「…は、はい」 恥ずかしくなって顔を俯かせる。 クスッと笑う声がしたけど、 「お昼を食べに行きますわよ!!」 ルキアは麗那の腕を引っ張り、女子の集まっている処に行った。 「井上さんは、良く食べるんですね?」 「え?そうかなぁ。あ!!私のことは織姫って呼んでよ!?」 「え、あ…はい……」 少し脅されてるように感じたが、少し身を引いて返事をした。 互いに笑い、穏やかな日々が過ぎて行った。お昼を食べ終えた頃、一護が教室に居るのが見えてルキアが目を細める。 「麗那さん。ちょっと良いかしら。」 「あ、うん。じゃ、先に行ってますね」 その場にいる女子に微笑んでからルキアの後を追った。 「おう、ルキアと麗那。どうかしたのか?」 ルキアはイチゴの手をとり、いきなり歩きだした。 何が何だかわからない一護は麗那に視線を送るが目があったとき、麗那は苦笑をこぼしてルキアの後を追っているだけだ。 そしてとまった場所は 「一護に言いたいことがあるのだろう、麗那。」 「……よくわかりましたね、ルキア。」 「で、なんなのだ?私は外した方がいいのか?」 「ううん。いてください、ルキアにも聞いてほしいことなので。」 「……で、どうしたんだ?」 「一護。」 「「!!」」 懐かしむように。言いなれているように。 微笑んで、名前を呼ぶ。 「欠片だけど、思い出しました。久しぶりですね、一護。」 「麗那……本当に………?」 「うそをついても仕方ありません」 苦笑して、一護の前に立つ。 「お待たせしました。」 「麗那…」 一護は麗那を抱きしめた。 「どこまで、思い出せたんだ?」 「仲良く、話をしているだけで……関係まではわかりませんが」 無言でいた一護はそのまま麗那を抱き寄せた。 「………良かった。」 安心しきった声は、優しい声だった。 少しづつ思い出していく記憶の欠片。 楽しいこと、悲しいことが戻ってくるのが…わかった気がした。 NEXT... 100105 ←戻る |