Dear you... 2 ここが何階なのか不明だ。 深呼吸を一度して、前後左右気をつけて進むが、ミルフィオーレ一色だ。 いつ見つかってもおかしくない。 空が近いから多分上の階にいることはすぐに分かった。 エレベータを使わず、階段を使って慎重に降りていく。 「…で、―――なんだ。」 「へぇ、――ん―で……」 話声にビクリと反応し、壁にピタリと背をつける。 次第に遠ざかっていく声に安心し、再び歩き始めた。 かれこれどのくらい経っただろうか。あと少しというところまで来ていると思う。 その瞬間、警報機が鳴り響いた。 眼が、揺らぐ。 脱走がばれたんだ… 「くっ……」 捕まるわけにはいかない。 慌てる声があちこちで聞こえてくる。 《ボンゴレ闇の守護者脱走!直ちに捕獲せよ!!》 放送が何度も同じ言葉を繰り返している。 バタバタバタ… 両方向からこちらに向かってくる足音。 目の前には大きなガラス張りの窓。 そこから見える地上は近い。 10階位…? 飛び下りればただの怪我では済まない。 でも、捕まるならば、覚悟決めたほうがいい。 「朔弥さん……!?」 「!(……骸…)」 また、会える…? 朔弥は顔を歪め、レオの姿をしている骸を見る。 私がこのあとどうするか見当がついたみたい。 レオの顔色がますます悪くなっていく。 「おとなしく部屋に戻ってください!!(そこから飛び降りるなど…いくら朔弥でも…っ!)」 私は、死なない。 あくまでミルフィオーレのレオを演じる骸は私を捕まえようと必死に走ってくる。 「居たぞ!!」 「捕まえろ!!!」 捕まるわけにはいかない。 私は窓を破ってビルから飛び降りた。 レオの泣きそうな顔が映る。 「さようなら」 「まっ…!!(朔弥…っ!)」 割れた窓の所に集まる。 バタバタ散っていくのが見えて、私は近くにあった木で衝撃を抑えようと手を伸ばした。 [←][→] |