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車庫に車をとめ、一気に最上階まで行くとまっ先にシャワー室に駆け込んだ。

歩きながら上着とか脱いで、廊下に置き去りにしていく服をキノに任せて、すぐに浴槽につかる。


ちなみに浴槽は携帯で自動操作できる代物で、任務から帰ったらすぐにお風呂にはいれるように。と9代目が特注していたものだ。



脱衣所ではキノがブツブツ言いながら洗濯機に洗濯物を放り投げている音が微かに聞こえてくる。

血の付いた服は手で洗わないとなかなか落ちない。






「朔弥ーー!出たら何か飲むか?」

「……アッサム」

「了解」





脱衣所から去っていくキノはキッチンで湯を沸かし始めた頃だろう。

血の臭いも取れただろうか…


用意してくれた服に着替えて、リビングに足を向ける。

丁度キッチンから紅茶を運んでくるキノは砂糖とスプーンを添えて私の前にカップを置いた。

キノも自分の分を用意して、私の向かい側に腰をおろした。







「今回の報酬はいつもの口座に振り込んでいいな?」

「ん」

「今回、840万円の契約だ。……ちと、俺にしては安い依頼だと思ったんだが…」

「別に、金額で受けているわけじゃないし」

「……そうだったな。」







ピーンポーン



設置されている電話からは動画が見える。

里緒達が来たのだ。


私は立ち上がって電話を取ると、「入ってきて」と扉を開けた。


それを聞いたキノは残り少なくなった紅茶を一気に飲み干すと、スッと立ち上がった。








「以後の連絡はまた後にする」

「ん」

「じゃあ、良いお年を」







今年はもう会わないだろうから。

キノはそう言って私に言うと玄関に向かって歩きだした。


帰るらしい。


指でキーを回し、上に飛ばしてキャッチする。




ドアに手をかけ、開けながら私の方を振り向いた。

何か言い忘れだろうか。






「ボンゴレから写真受け取ったけど…警戒しているお前もいいな」

「……は?目、腐ってんじゃないの」

「冗談だ。……A presto(またな)」






キノと両頬に挨拶のキスを交わし、出ていく。

と、丁度出くわしてしまった。

思いっきり見られていたらしい。







「お、朔弥の友人か?」

「そんなところ。」

「へぇー…
Buongiorno」





キノは陽気に笑いながら、呆けている全員に呑気な挨拶。





「さっさと帰りなよ。」

「ん。じゃあな」






ぽんぽん、

私の頭を撫でて行った。






「入りなよ」







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110112

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あきゅろす。
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