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ぎゃああぁああぁ!!!!



悲痛の叫び声。

口から零れる、赤い液体。







「いだぁああああぁっぁぁ!!」








何とも、あっけない。

ほんの一瞬だ、こんなやり方。こんな雑魚。





ピリリリリリ...ピッ




「何?」

『年末の……っと…仕事中だったか?』

「今終わった。」

『そうか。で、年末な――――……』








ピッ






電話を切ったころ、標的の人物は虫の息だった。

まだ、息があるのか…





プルルルルル...




「………」





出ては、いけない。

こっちは、表向きようだ。






「く、そ……っ」





ぐったりしているその標的はもう殺す価値がない。

とはいえ、殺さなかったら依頼を成し遂げたとは言えない。




いつの間にか留守電に変わった携帯は呼び出し音はなくなっていて。


死ぬまで私はその場所を動くことはなかった。








しぶといもので、標的が死んだのはあれから10分。

もう、太陽は頂上へ向かって上っている最中だ。






「遅かったな」

「……」






キノは車に寄り掛かったまま、口に煙草を銜えて火をつける。





「お前のことだ、とどめは刺さずに死ぬまで待っていたんだろ?」

「……」

「返り血、どうにかしないとな。」






タオルを投げてきて、私はまだ乾燥していない血をそれで拭う。

コートは、いちいちやっていられないから脱いでしまう。


その方が楽だから。




朝飯を買ってきた。というキノからコンビニのビニールを受け取り、助手席に乗り込む。

久しぶりの殺しに疲労感がドッと来た。


シートに身を任せて、深呼吸する。






「だいぶお疲れのようだな。」

「……」

「お前は仕事後、無口になるのは癖だ。……じゃ、行くぜ?」





シートベルトをすると、日本の街を走りだした。

向うのは私の家がある神奈川。

殺したやつのことは、警察に見つかる前に処理しに来るやつがいる。

だから、騒ぎにはならないだろう。






プルルルルル……


プルルルルル……




「オイ、携帯」

「……」





プルルピッ





「……」

『あ、もしもーーーーし、朔弥??』

「里緒?」


「(学校の友達か?)」






キノが耳を澄まして聴いている。

別に、聞かれてはならないものではないけど


何となく、嫌。





「……変に調べたら」

『は?朔弥、何ーーー?』
「わーーってるって、心配すんな。」



『えーーーっと、もしかしてデート中だった?』

「……違う。で、何?」

『いつもよりテンション低いなぁー。ま、いいか。あのさ、お昼頃朔弥の家に行ってもいい?』

「(お昼…)……あと2時間くらいしかないでしょ」

『まーーねぇ♪で、ダメ?みんな結構集まってんだよね☆』





2時間。

それくらいならば家に着くだろうし、大丈夫だろう。




「……別に、いいけど。」

『わかった!じゃあ、2時間後位には着くから〜』






ピッ






「キノ。急いで戻って」

「りょーかいっ」





アクセルを十分に踏み、加速して家に急いだ。






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