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骨にまで浸みこむような寒さに眉を顰める。


はぁ。


吐息は外気に触れて白く染まり

空気に混じって消えていく。



コートを着て、防寒をしっかりと。





ガチャ...バタン



ブーツが床とぶつかり合って音を鳴らす。

極力足音を消して、日も上がらない夜明け前、私はホテルを後にした。



外を歩く人は少ない。

背を丸くしてそそくさと歩く一般人を見ながら、一歩。また一歩と足を動かした。







ピリリリリリ…ピリリピッ

「……」

『朔弥、今どこにいる?』

「キノ…か」

『おうよ』

「今、ホテルを出たところ」

『分かった。そうだな…10分後に○×センタービルで落ち合おう』

「……」




ピッ









キノ。


キノ・アグウェル


正確な年齢は忘れたけど、多分8歳の頃からの知り合いだ。

一時期、ある事件からボンゴレを離れていた。

その時から私贔屓の情報屋で、依頼を管理している。


今日、ホテルを早く出たのもコレがあったから。


世間はクリスマスで浮かれているのだが、私にそんな行事なんて関係ない。


地を蹴り、私は○×センタービルを目指した。




きっちり10分後、センタービルの前を歩く私の前に1台の車が徐行してくる。

確認の必要もなく、私は徐行している車に素早く乗り込んだ。



徐行時間は3秒

周りからしてみれば、ただ普通に車がちょっと徐行を行っただけに見える。

ドアを閉めるのと同時に車はアクセルを踏んで速度を出した。







「御苦労さま」

「……」

「あぁ、書類なら前のボックスに入っている。番号は、知っているだろ?」






少し前方に設置されているボックスの上部には簡素な番号が並んでいる。

カバーを取り、20桁の暗証番号を5秒で打ち込む。

迷いが一瞬でも生じてしまえば打ち込めない。





ピーーーーーッ


パシュ





開かれたふたを取り、中身をとりだす。

イタリア語で書かれた数枚の紙と写真が1枚。

以前、欲しいと言って、日本円にして470万を渡した。


危険度が増すものや、情報の難易度によって金額も変わってくる。







「で、なんで急に?」

「今日は、、、」

「……あー、なるほど。なんだ、あれだろ?学校の友達とクリスマスやるってか?」

「そう」

「学生だね〜いいなぁー」







はじめてだから、何をするのかさっぱりわからないけど。

ケーキを食べてわいわい騒ぐのだと、里緒が言っていた。







さっさと終わらせようか。





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あきゅろす。
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