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「アイツらは知ってんのか?お前が裏の人間だということを。」
「言ってない」
言ってない。と言うことは、立海の奴らはしらねぇのか。
まぁ、信じられないだろうな。
俺様といえど、コイツを前にしてもなお、本当なのか信じられねぇ。こいつが、裏の人間にも見えねぇしな。
「朔弥様」
謙虚そうな女が雲雀の後ろで足を止めた。
右目に黒い眼帯をして、隠すように前髪で覆っているようにも見える。
多分、こいつも裏の人間なのだろう。
とはいえ、不思議な言葉だな。
“朔弥様”か……
雲雀の部下か、慕っているヤツなのだろうか。
「……凪…」
「ぁ……お話し中?」
「構わない。…何?」
「骸様から伝言を頼まれて……」
「……言って」
「ジョーカーが、あやしいのが居たって。」
「………」
「朔弥様…」
「確証は?」
「うん。」
やけに真剣だな。
裏の顔ってやつだな。
確かこの女、雲雀の隣に立っていた男と同じような髪型だな。
「……骸は?」
「今、追ってる。」
「…追って?……護衛は」
「今は、リボーンと笹川、って人」
「………わかった。凪は自由に行動してていい。私が行く。…跡部、じゃあ私は行くから」
「あぁ」
裾から銀色に輝くモノが出てきた。
裏で使っている武器なんだろう。なんて、呑気な考えだろうか。
「朔弥様、お気をつけて…」
「ん」
シュッ
一瞬にして消えた雲雀。
今まで一度も見たことのない、何かのドラマとかではないと見ることはできなかったソレ。
雲雀は俺が思っている以上にすばしっこいヤツなのだろう。
言いにきた凪というヤツも屋敷の中に戻って行ってしまった。
残された俺はもう少しここにいることにして、会場に戻ったのはその10分経った時だった。
NEXT...
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