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屋外に出た俺たちは、庭でゆっくりと歩きながら話を切り出した。
「お前、こんなところで何をしてんだよ…」
「見た通り、だけど?」
馬鹿が。
それくらい混乱してんだよ。
お前が護衛してんのはイタリア最大のマフィアのボスだぜ?
わかってんのかよ。
「今日のことは、誰にも口外しないで。」
「じゃ、聞かせてもらうぜ?テメーは何者だ」
俺はお前に会ってから気になって、何度か調べようとはかった。
しかし、お前のデータは全くと言うほどなかった。あえて言うのであれば、並盛中を卒業し、並盛高をこの前まで通っていたことだけ。
それ以上のことを調べようとしたら極秘扱いされていて、手つかずだった。
まっすぐな瞳で、俺をみる雲雀は、やけに冷静すぎた。
「私は、ボンゴレに仕える者。ただ、それだけ。」
組織に尽くす…人間。
裏の者ってことか。
ま、どうでもいいか。
「何で、隠す?」
「それが、9代目のお望みだから。」
お望み。
はじめて聞く、雲雀のそんな言葉。
「まぁいい。今度、氷帝に来い。お前に会ってみたいという奴がいる」
「……気が向いたらね。」
年明けにでも誘おうか。
こんなやつがいるとアイツが知ったら、どういうだろうか。
「跡部は、あの財閥の息子だったんだ……」
「まぁな。そういうお前こそ、あのボンゴレの人間だとは思ってもいなかったぜ?」
「………」
俺様を見て、すぅ、と目を細めた。
コイツが何を考えているのかさっぱりわかんねぇ。
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