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「では、楽しんで行ってください」
「ありがとうございます、ボンゴレ」
「あ、そうだ。跡部さん、このあと、何かご用事は?」
「いえ、何かございますか?」
にっこり、笑みを浮かべるツナは私に顔を向けた。
また、こうやっておひとよしなんだ。
「骸。クローム呼んでくれる?朔弥ちゃんは話してきてもいいよ。知りあい、なんでしょ?」
「分かりました。」
「…ボス、私は仕事中ですが?」
「ううん。骸がいれば通訳は足りるし、せっかくこの場で会ったんだ、話してきても大丈夫だよ。」
確かに、骸は英語も完璧だし、心配はいらないだろう。
しかし……
「………。」
「行ってください。クロームもすぐにこちらへ来るそうです」
「……、じゃあ、よろしく」
「景吾。」
「……あぁ」
跡部は私に手を差し伸べ、社交の場だ。払うこともできない。
失礼に値するだろう。
私は仕方なく跡部の手の上に、じぶんの手を乗せた。
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100505
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