[携帯モード] [URL送信]
3



堅苦しい挨拶も終わって、それぞれがパーティーを楽しむ。

9代目は相変わらず人が来ては去って、来ては去っての繰り返し。





「じゃあ、僕は行くから。必要になったら呼びなよ」

「兄さん…」

「僕は外にいるから」

「わかった」





スタスタと歩いて、人ごみの中に消えていった。

私たちは、ツナの傍からあまり離れないようにして。




「じゃあ、どうしよっか」

「俺が最初に10代目をお守りします!!」





キラキラ輝かせている隼人。

もう一人は山本に決定して、護衛につかない私たちはそれぞれ散っていった。

私もどこかで休もうかと思った時、骸が声をかけてきた。




「朔弥、どこに行くんですか?」

「9代目のところ。」

「そうですか……」

「楽しむ気がないなら、遠くからボンゴレを狙う奴がいないか見ておいてよ。
妖しいヤツがいたらマークして。」

「クフフ、朔弥の願いなら。」






骸は私の手を取り、甲にキスをして消えていった。

実態のつかめない、霧。


まさにそのままだね、骸……。



完全に消え去った骸を見てから、私は9代目の所まで足を運ぶ。

挨拶をしている9代目の邪魔にならないように、静かに近寄り、エルマーに声をかけた。






「ふふふ、さっそく来てくれたのね。嬉しいわ」

「……」

「10代目はどう?」

「まぁまぁ。」






ツナの方を向けば、ディーノが話しかけていた。

少し頬を緩めて話しているところから、リラックスしているんだと思う。





「でも、朔弥も大変ね。」

「?何が?」

「朔弥って、パーティーでは必ず誰かに話しかけられるじゃない。朔弥目当てで。」

「ウザイだけ。」






本当。


毎回毎回、ひっかえとっかえの状態で私に「嫁になっていただけませんか?」的な話が来る。





「今回、彼は来てないみたいなのよね。会場を見回したんだけど、いなくて。」






彼。




情報屋のキノのことだ。

今回はあまり一人でフラフラ行動するのは避けよう。


それにしても。

キノは来なくてもジョーカーは来るはずだ。

家柄、用事というのも厳しい。







「エルマー…。オレガノは?」

「あぁ。家光さんの所にいるんじゃない?」







っていうことは、バジルも一緒か。

その内、門外顧問としてツナに挨拶に行くだろうけど。

[←][→]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!