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堅苦しい挨拶も終わって、それぞれがパーティーを楽しむ。
9代目は相変わらず人が来ては去って、来ては去っての繰り返し。
「じゃあ、僕は行くから。必要になったら呼びなよ」
「兄さん…」
「僕は外にいるから」
「わかった」
スタスタと歩いて、人ごみの中に消えていった。
私たちは、ツナの傍からあまり離れないようにして。
「じゃあ、どうしよっか」
「俺が最初に10代目をお守りします!!」
キラキラ輝かせている隼人。
もう一人は山本に決定して、護衛につかない私たちはそれぞれ散っていった。
私もどこかで休もうかと思った時、骸が声をかけてきた。
「朔弥、どこに行くんですか?」
「9代目のところ。」
「そうですか……」
「楽しむ気がないなら、遠くからボンゴレを狙う奴がいないか見ておいてよ。
妖しいヤツがいたらマークして。」
「クフフ、朔弥の願いなら。」
骸は私の手を取り、甲にキスをして消えていった。
実態のつかめない、霧。
まさにそのままだね、骸……。
完全に消え去った骸を見てから、私は9代目の所まで足を運ぶ。
挨拶をしている9代目の邪魔にならないように、静かに近寄り、エルマーに声をかけた。
「ふふふ、さっそく来てくれたのね。嬉しいわ」
「……」
「10代目はどう?」
「まぁまぁ。」
ツナの方を向けば、ディーノが話しかけていた。
少し頬を緩めて話しているところから、リラックスしているんだと思う。
「でも、朔弥も大変ね。」
「?何が?」
「朔弥って、パーティーでは必ず誰かに話しかけられるじゃない。朔弥目当てで。」
「ウザイだけ。」
本当。
毎回毎回、ひっかえとっかえの状態で私に「嫁になっていただけませんか?」的な話が来る。
「今回、彼は来てないみたいなのよね。会場を見回したんだけど、いなくて。」
彼。
情報屋のキノのことだ。
今回はあまり一人でフラフラ行動するのは避けよう。
それにしても。
キノは来なくてもジョーカーは来るはずだ。
家柄、用事というのも厳しい。
「エルマー…。オレガノは?」
「あぁ。家光さんの所にいるんじゃない?」
っていうことは、バジルも一緒か。
その内、門外顧問としてツナに挨拶に行くだろうけど。
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