PM 12:18
お昼、食堂に行くと里緒が飛びついて来て、私を離さなかった。
もう引き剥がすのも面倒でそのまま引きずっていたら優希の声が届いた。
「朔弥、お疲れ様。」
「優希も、おつかれ…」
里緒が一人で作ったお昼。
ぞろぞろと入ってくる人たち。
立海も帰ってきたらしい。
「朔弥ー午後のドリンク少し濃くしてくんねぇ?」
「……いつもと同じ分量じゃ、薄かった?」
「おー…」
ブン太が「ゴメン」と手を合わせていう。
好みの変化などよくある話だ。
「後で調整するから、いくつか飲んでもらうけど…」
「おっけー。……あ、朔弥−。お昼一緒に食おうぜ」
「立海のテーブルで食べるけど…?」
「そーじゃなくて。俺の隣ってことだよぃ」
「……わかった」
「(よっしゃ!)じゃ、空けておくな」
「ん」
お昼を取りに行ったブン太。私は里緒の所に行って、手伝いに参加した。
余った量は自分でおかわりすること。と言うと自分たちの分を持って席に着いた。
ブン太が3人分空けてくれていたため、そこに座れた。
約束していたから、ブン太の隣に座る。隣に座っている里緒の隣はジャッカルが座っている。
「……あれ?檜山は?」
「優希は彼氏のところだよー」
「四天宝寺の白石…だっけ?」
幸村は微笑みながら言う。
幸村のその視線の先には白石と優希の姿があった。
「会えるのはこういうとき位だし、いいかなって。」
「ふーん…」
「あの2人だから遠恋が続くんだろうな。
……ところで、お前達はいないのか?」
「柳君…突然何よ」
「恋人だ」
「「ぶふっ」」
「ゲホッ」
「フフッ」
「参謀も率直に聞くのぅ…」
「………汚い」
ブン太と赤也。そして真田がむせた。
なんでむせる……
「私はいなーい。って言うか、今んとこ、朔弥で満足してるし。」
「気味の悪い言い方…」
少し里緒から距離を置くように、ブン太の方へ寄った。
「ぃやー!拒否らないでぇ!!」
「そういう雲雀さんはどうなの?」
抱きついてくる里緒をはがそうとするが、がっちり腰に腕を巻きつけてくるから無理だ。
そんなことどうも感じない幸村は、サラリと私に振ってきた。
「……考えたことない。」
「そう言えば…前、バスケ部の元部長にコクられとったな。アレはどうなったんじゃ?」
「「コクられたぁ!?」」
「………」
「さては、連絡してないな?」
柳がニヤリ、笑った。
確かに、連絡をしていない…というか忘れている。
「今日にでも、返しておく」
「いやいや、しなくていいぜぃ!」
「そうッスよ!むしろ、しないでくださいよ!!」
必死に2人が言うからやめておこう。
今ここでは。
お膳を持って、椅子から立ち上がった。
午後は忙しくなると思うから、早めに準備をしなくてはならない。
里緒もこのあと食器を洗ったり、食道の掃除がある。
のんびりとできる里緒はまだ席に着いたまま。
「……私は行くから」
「あ、置いてっていいよ、朔弥!一緒に片づけておくから」
「……じゃあ、よろしく。」
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090621
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