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ひどいこと、言っちゃった…。
本当は、こんなこと言うつもりなかったんだよ?
ごめんね…朔弥、優希。
2人、すごく泣きそうな顔をしてた。
ドアの先から聞こえたブン太の叫ぶ声。
― 朔弥!! ―
本当にごめん…ごめんね。
朔弥に嫌われちゃうかも…けど。
ピーンポーン...
誰もいないよー…
居留守だけどさ、この顔じゃ出られないよ。
ガチャ
「………!」
なんで、鍵……
あ、そうだ。
鍵、閉め忘れた…
どうしよう、空き巣だったら。
「里緒!おるんやろ!?」
「っ!……ゆー、し……」
なんで?
なんでなんでなんでなんで…なんで?
「朔弥ちゃんから聞いたで。」
朔弥が?
ゆーしに、何言ったわけ?
とりあえず、気づかれないようにしないと……。
カタン...
「!(やば…)」
タン、タン…
足音が、近づいてきた。
ど、どうしよう……
「里緒?」
「あ、あけないで!」
「……ごめんなぁ」
「……っ、なに、が?」
「約束、破ってしもた」
知ってるよ。
見ちゃったもん。
「……里緒、開けてくれへん?」
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