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「おはよう、朔弥。今回も1位おめでとう」
「ん」
優希が笑みを向けてきた。
でも、いつも明るい里緒がいない。
里緒の席の前で止まって、机に手を置いた。
「んー…里緒、朝から様子がおかしいのよね。」
「……」
「いつものことだけど、なんか暗いって言うか。先に行ってって言われたから置いてきちゃったけど。」
「そう」
「朔弥、なんか聞いてない?」
「……」
テスト前、氷帝の忍足とメールをしたのは知ってるけど。
…だって私がアドレス教えたし。
優希も、それは知っているはず。
なら、なんだ?
「メールしても返事来ないのよ…」
「……」
ブン太なら、何か知っているかな…
立ち上がって、優希の手を引いてブン太のところに行った。
「ん?どうしたんじゃ?」
ブン太と話していたらしい仁王が首をかしげた。
「ねぇ丸井。里緒が最近おかしいんだけど、なんか知らない?」
「はぁ?そう言うのは俺よりお前らの方が知ってるだろぃ?」
「知らないから、聞いてるんだけど」
そう言ったら、少し上を向いてうーん。と声を出して考え出した。
何かあったとしたら、休日の3日間かもしれない。
テスト中は至っていつもどおりだったし。
「しらね。」
「そう」
「何、来てねぇの?」
「うん。」
「メールに返事無し。朝はひっくい声で先に行くように言われたわ」
「……あ。……いや、違うか。」
「え、何?」
「いや…2日前?部活帰り、アイツを家の前で見かけてさー。なんか落ち込んでるような感じだったんだよなー…」
2日前……か。
「そう。ありがとう」
「んー」
結局、今日里緒は学校に来なかった。
NEXT...
091205
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