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今日、なかなか学校に帰ってこなかった教師がついに帰ってきた。
長く見ていなかったその教師は、つい昨日も学校にいたかのような調子でニカッと笑い

「おはようさん」

生徒に朝の挨拶をしていた。

復帰してきたのはルイス・ガンジェラ。
一応英語の教師だ。
流暢な日本語を話すし、英語の他にイタリア語とフランス語を話せるらしい。

顔もそこそこ良いし人気があるのは認めよう。


「なに一人で語ってるのよ」
「あ、優希〜♪おっはよー」
「相変わらず元気ね。………朔弥は?」
「んーにゃ、まだ来てなーい」


来るのかしら…。と不安そうな声を出す優希。
心配なんだね?うんうん。
私も心配だよー。

仁王とブン太が来てるからもう朝練は終わってるってことだよね。
ってことは…朝練に出てないんだー。


「木下。朔弥は来とらんのか?」
「うん、今日も休みかも。もし今日も来なかったら後でメールしてみるよ!」
「ん、頼むぜよ」



1限目は英語。
さっそくルイス先生(ガンジェラ先生って言ったらブーイングしてた)の久々の授業。
女子はキャーキャー言ってる。

仁王やブン太は面倒みたいな表情を浮かべていた。
まあ、ルイス先生の授業って丁寧だけどスピード早いからねー…。

「出欠とるからなー。返事聞こえなかったらいないってことで。」

コレも相変わらず…

「よし、相坂ー」


着々と呼ばれていく名前。
私も返事をして難なく出席扱い。
ノート開いて、ぼんやりとこの前までの英語の先生を思い浮かべた。

良い、先生だったんだけどね……。
教え方はひどかったけど。


「若本ー」
「はーい」

「……え?」


あ、最後に朔弥だっけ?
なかなかいないもんね、“雲雀”なんて名前。
珍しくて読めないのかな……

それともやっぱり…。

優希が後ろを向いてきた。
やっぱり、思うよね。

誰かが、ヒバリって読むんですよー。と教えていた。


「…っと、失礼。雲雀ー…は?」
「今日、まだ来てないぜよ」
「おいおい、俺の久しぶりの授業で欠席者いるのかよー」

しかも転校生じゃねーか、お前ら苛めてねえだろうなー?
なんだよー欠席かよーいじけるぞ?

なんて言いながらチェックしていた。

あー……違ったかな。

仁王も外を見てて気にしていないみたいだし。
ま、いっか。

結局、メールは入れたけど朔弥からの連絡はなし。
休み、なのかなー……。

久しぶりにうけるルイス先生の授業はやっぱり進むのが早くて。
でも、とってもわかりやすい。

朔弥の分のノート、とった方がいいかな。
でも朔弥頭いいし……。
外国にいたことあったわけだし、余計な御世話かな。
そうこうしていると、あっという間…ではなかったけど授業は終わる。

「よし、今日はここまで。進んだ所までの練習問題は次回までやっておけよー。あ、あと仁王と丸井。ちょっと後で来いや」

教科書でポンポン、と肩を叩きながら教室を去っていく。
面倒くさそうに仁王が立ったのをぼんやりと見ていた。



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