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2


早急に去ってしまった朔弥。
誰もが予想できなかった展開に空いた口がふさがらない。


「ど、どうしたんじゃ?」
「さぁー…」


その中、里緒と優希は暗い表情をしていた。
幸村はそれに気づき、2人を見やる。


「どうか、した?」
「え、あ……どうしよ、優希」
「どうと言われてもな。あれは禁句だったんだね」
「うん、みたいー」
「どういうことだ?」


2人の難しそうな表情に柳は疑問を抱いた。
クリスマスの時に聞いた時はそこまで反応は示さなかった。
だから、話しても大丈夫だとふんで顧問のことを話したんだが…いけなかったらしい。


「えっと…クリスマスより後に話してくれたんだけどね?朔弥、ガンジェラさんは愛したひとだって言ってたでしょ?あれ、本当は想い合ってたみたい。」
「なんで、片想いみたいな言い方をしたんだ?」
「さあ。そこまでは知らないけど……」
「……」
「……」
「なに?」


「ガンジェラさんて、あの写真の数ヶ月後に朔弥を庇って死んじゃったんだって。」
「「「!!」」」
「多分、さっきの反応からしても、昔のガンジェラさんと重ねちゃうんじゃないかな…いろいろと。」



里緒はぼんやりと校庭の方に視線を向けた。
ちらほらと人が動いている中、ひときわ目立つ人物があった。
「あ…」と声を漏らす里緒に全員が里緒の視線の先――校庭に向ける。
バックを持っている誰かは校門で一人立っていて、それが朔弥だとわかった時には黒い車が乱暴に止まって助手席のドアが開けられた。

腕が伸びてきて、朔弥の腕を引いた。朔弥が少し屈んで、その状態が数秒続いたかと思えば。
朔弥のバックを持ち、引っ込められる。手ぶらとなった朔弥は助手席に乗り込んでドアは閉められる。



「帰ったのか?」
「でしょうね」
「あーらら」



数分も経たないうちに優希の携帯が鳴り、屋上に響いた。
それは、今先ほど帰った朔弥本人からのメールで。



from:朔弥
sab:無題

main
帰る
ごめん


-END-





残されたのは、まだ手をつけてないお弁当だけだった。




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120313

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あきゅろす。
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