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バレンタインから2日経った今日。
部屋にたくさんのバレンタインでもらったものを、未だに処理できずにキノに任せてはや2日。
文句を言いながら片付けでもしているんだろうか、なんて思いながら何となく授業中に窓から空を見上げる。
ふと、仁王がこっちに視線を送ってきたのが視線の端っこに映っている。
いつもチラッとした視線は感じてたけど…こんなにも長く見られると気になる。

溜息を零して、仁王に視線を移した。
案の定、ニヤッとした笑みを向けて来てて、何事かと思ったら4つ折りの白い紙を渡された。


「……」


カサッ
―幸村が話したいことあるっていってたぜよ―



今更なに?
改まって。


丁度授業も終わりを告げてて、お昼を持っていつもの5人で屋上へ向かった。
もう屋上で食べるのも限界に近いかもしれない。
風が冷たく感じて、お昼どころではない。幸村が脅して手に入れたガラス張りのテラスに向かった。




「やあ、遅かったね」
「なんじゃ、早いのう…」
「ふふっ、気になることがあってね。雲雀さんに言っておこうと思って。」


ま、俺達にも関わる話だから聞きなよ。
という幸村の表情は真剣なものとなった。


「先ほど連絡を受けたんだけど…監督、帰ってくるってさ」
「え、マジで!?」
「やれやれ、やっとですか。」


監督?
やっぱりテニス部に監督はいたんだ…。


「そこで、なんで雲雀さんにいうのかって話だけど。クリスマスの時にお邪魔させてもらったでしょ?
あの時に飾ってあった写真。名前、教えてくれないかな」
「………必要ない」
「皆もうわかってると思うけど…顧問にそっくりなんだ。だから、聞いておきたい。」
「ファミリーネーム…を?」
「そう。」

「………ガンジェラ」


そしたら、幸村達全員が目を丸くしていた。
それと同時に確信したかの様な声を出す。


「うん、なら納得だな…」
「精市…」
「うん、これは…ね。その人に、兄弟とかいるとか聞いてない?」
「…弟がいるというのは、聞いたことがある。」
「そっか。その兄弟なんだけどね?俺達の顧問なんだ。そして、明日帰ってくる。」



……え?


「え、明日かよぃ!」
「急だな…」
「いつものことぜよ」
「フラッとしてますからね。」



アルヴィスの弟が……明日、学校に来る?
私のせいで死んだと、言うのだろうか。

実際、そのような感じなんだが。




「………帰る」
「「「は!?」」」


全員の声がかぶる。
止まるように言うけど、そんな余裕ない。

それよりも、どう会えばいいのかさえ…わからない。
お昼を食べることなく、私は屋上を後にした。

教室に戻ってバックを取り出し、私は短縮番号でキノを呼び出す。


『はいはーい』
「車で学校正門前まで来て」
『(やけに声震えてるな…)持ち物は?』
「いらないから…」
『オーケー。すぐ行く』




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