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お昼の後も色々回って、買い物を続けた。
私も必要なものとかを買ったけど、はるかにみんなより少ない。
私が本当に欲しいものは表に売られないものだしね。
「雲雀さんって本当に顔が広いね」
「……そう?」
「買い物、助かるよ」
「ん」
幸村は、思っていたよりお金を使わなくて済む。と言っていた。
あと時間も1時間ほどだし、最後にジュエリーショップに寄った。
店員の明るい声と、並べられている商品の数々。
「うわーー!きれい!!何にしようかな〜♪」
「朔弥、何か買うの?」
「ん。ちょっとね」
真剣にガラスケースを見て、悩む。
凪になんか買ってあげたい。
≪すみません≫
≪あ、はい≫
≪責任者の人呼んで来てほしいんですが≫
≪……お名前をよろしいでしょうか≫
≪別に、私の名前を言わなくてもアポはとってる。≫
一礼して戻っていく店員に、私は買い物を続けている皆に視線を移した。
里緒は優希に何か話してて、否定されて、落ち込んだ。
【店員が失礼を。お待ちしておりました、雲雀様。こちらに案内いたします。】
店の奥から来た責任者の人。
この人は一見、優男に見えるけど…ボンゴレが贔屓しているところ。
【この前に頼んだものをお願いしたいんですけど】
【あぁ、用意致しましたよ。】
スッ、と出された包み。
中身は仁王が欲しがっているもの。姉にあげるらしい。
【珍しいですね、雲雀様がこのような柄物を注文なさるとは。】
【別に。】
もちろん、カードで支払う。
あと、凪に買ってあげるものと、兄さんへのお土産を考えよう。
兄さんはともかく、凪は何が好きかわからないから適当にネックレスで大丈夫だろうか。
ガラスケースに陳列されているそれらを見て、目が止まった。
凪と同じ瞳の色をしている。
【あれと、特注したやつ】
【承知いたしました】
ガラスケースから取り出し、小さなケースに閉まっていく。
「雲雀さん」
「?…幸村…」
「何か買ったの?」
「ん。兄さんと、友人の」
「へぇ。で、これは?」
「仁王の」
ぼけっとしている仁王に包みを渡して、お金を受け取った。
受け取ったお金の3倍すると言うのは、言わないでおこう。
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