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ぐったりとしているブン太が待つこと20分。

全員が集まって、お昼にすることになった。

私が話した店にすると言うことで、食事処の“ウェンディーネ”に向かった。

行きかう人は立海の生徒。

どこに行っても日本語が聞こえるからどうしてもアメリカという感覚が薄れる。







「朔弥ー。どの店に入るんじゃ?」

「“ウェンディーネ”……言ってなかった?」






全員が頷いた。

おかしいな、言ったと思ったんだけど。



そんなこと考えていたら店の前まで着いた。

遥かに周りの店よりも高そうな雰囲気を漂わせている。






「え、ここ……?」

「ん。ちょっと待ってて」






扉には準備中となっているが、私は構うことなくドアを開けた。

人が一人走ってきて、話しかけてきた。




「雲雀朔弥だけど…」

「!キノさんから聞いてます。どうぞ、御学友様もお入りください」





流暢な日本語で、私たちを中に通してくれた。

キノにお昼頃行くと連絡するように返信しておいて正解かもしれない。






「知り合いの店だから味もいいし値段も手ごろだから。」

「まぢで?」





通された和室に座って、メニュー表を見るブン太。

日本円にして1500円でコースを食べれるほど。

安心したのか、メニュー表を見て選び出す皆を見ながら、私は店主にマスターを呼んでほしいとお願いした。

にっこりと笑みを向けて、厨房に去っていく。




「朔弥ー。何にするか決まったの?」

「ん、私は決まってるから…」

「じゃあ、オススメとか教えて!?」



「昼専用のオススメは女性ならレディースセット。がっつりいきたいなら一番上のセット。いろんなものをつまんでみたいならセレクトバランスだな。」






里緒の質問に答えたのは、私ではなく、レギュラーの誰かでもなく。

低い、アルトの声をしたマスターだった。





「久しぶりだな、朔弥。」

「マスター…」

「さて、皆さんは決まったかな?」






ニカッと笑顔を向けるマスターに全員が注文を悩んだ。

ブン太はがっつりだと思うけど…




「柳。和食もあるから、それでもいいと思う」

「……メニューにはないが?」

「朔弥が好きだからなー、日本料理。もちろん、メニューには載せてないが、作れるぞ?」

「では、それを。」






全員が決まったようで、メモを取ることなくマスターは全員のメニューをきいていた。

やっぱり優希と里緒はレディースセットを頼んでた。






「朔弥はいつものでいいんだよな?」

「ん」

「よし、待ってろよ」






くしゃり、私の頭を撫でて厨房に戻っていってしまった。

久しぶりに撫でられた…。






「あはっ!朔弥照れてる〜、可愛い♪」

「年上好みなの?」

「知り合いが、みんな年上なだけだから…。」









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