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「ブワッ」と棺からは溢れんばかりの血が吹き出した。
クロウリーは血だけになりながらも、仲間を守るためにジャスデビを捕らえた。
イノセンスの力を使って、イノセンスの力が宿っている血だけで…
そう、体は棺――メイデン――の中に残ったまま。
耳を失ってしまったように自分の呼吸の音も聴こえない。
痛みも、何も感じない。
クロウリーは、今、意識だけで動いていた。
圧倒的だった力の差は、今やクロウリーの方が上。
いや、たとえ力の差がなくとも、その守りたいという想いの差でクロウリーが勝っているのだろう。


「ぐぁあああ…ッなんだよ…ッッ?あいつに今、打たれた所から…、何か…ッぅ゙ッ…、ぐ…!!」
ビキッ


すると、ジャスデビの左の額から目にかけて痣が広がった。
「ゴロゴロ」とのたうち回るが痛みは徐々に浸透していく。


「なんなんだよッッ!!」
パンッ


「ビキッ」と等々それは左腕にまで広がりそこには“INNOCENCE”と文字が浮かび上がった。


「やべぇ…、バイ菌入った…」


ジャスデビは力を解放し、その力を右腕へと集中した。




 ら
 わ

 い


 物
  ッ
  ッ
   が
    !!



「私は守る」


アレン、ラビ、秋羅…


「私は一緒に…」


二人の拳がぶつかり合った瞬間に辺りには光で包まれた。







トンッ




その光が晴れると中から現れたのはジャスデビ。
ジャスデビは次の扉まで歩いてくると縁に腰掛けた。


「…痛…、…ちょっと…休ま…ないと、ね…」

「ジャスデロ…」
「デビット…」


ひとつだったものは再びふたつに分かれ扉の中に落ちていく。
すると、棺が開き閉じ込められていたクロウリーが中から解放された。
その横に佇むクロウリーの血。
イノセンスが喚びあうように光ると、その血はクロウリーの中へと戻っていった。


「(ああ…)」


意識が…、
体に戻ってきたようだ。
体がそこらじゅう痛いである…


崩壊を続ける部屋。


「(寒い…)」


意識が遠のいて、いくである………だが、ひとつだけ確信できる。
秋羅たちは、きっと、ちゃんと、先に進めた。
私はちょっと休んだらすぐ…
行くである…


「(約束だから、な…)」

どくんっ!
「っ!……ク、ロ…?」


二つ目の時空(トキ)が止まった。

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