13 「いない…、いない…ッ!」 煙が晴れるとジャスデビは辺りを見回した。 だが、そこにいるのは血だらけのクロウリーと自分だけ。 「何ッッッ処にも居ないじゃないかぁーッ!!仲間見捨てて、行ったよッ、ウワーオッッ!!!」 背を向けて扉へと足をすすめるジャスデビは、クロウリーが起き上がったことに全く気が付いていない。 「逃がすなんて、気が抑まらない。あいつら…ッ、追いかけて…」 「捕え…」と続けたジャスデビの背に「ドンッ」と空瓶がぶつかった。 それはちょめ助から貰った大切な残り少ない血の小瓶。 ジャスデビが振り替えると死んだと思われていたクロウリーが「ゴクリ」と喉を鳴らして立っていた。 「行かせんぞ、餓鬼共…ッ」 「……。退治しちゃうぞ、この吸血鬼……ッ」 クロウリー対ジャスデビの戦いが始まる。 [前へ] [戻る] |