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3 side.ティキ


ちりー…ん ちりー…ん

ティキは何度も何度も銀で出来た2つのボタンを指で弾き、タバコを吸うわけでもなく口に加えたまま「ボーッ」とする。
あれから千年公は何も言ってこない。


「千年公、黙ってるってことは、怒ってねェのかな。」
「おこんないよぉ〜」


ロードは豪華な椅子に膝をついて窓の外を見ながら言った。


「千年公はさぁ、僕らをあんまり危険にさらしたくないだけぇv」


「パタパタ」と足を上下させながらロードは尚も続ける。


「僕らは、神に捧げるダーイジな“子羊”だから」


ティキの掌にはアレンと秋羅の胸に風穴を開けた際にとった2つのボタン。
思い出す、あの時の顔を…


「でも、仕様がないのもわかってる。僕らの危なーい性をね……………」


あん時は用事だったしあんま遊べなかったからなぁ。
あーあ、早くあいつらに会いたいねェ。


「でもね、ティッキィー。」


そういえば少年はともかくとして、秋羅は何故か俺の正体知ってたんだよな。
しかも今思えば確実に始めっから気づいてただろ。
少年に会う前にオレらに会ったあの汽車の時の警告。
あーすっかり忘れてた。
今頃、思い出すなんて。


「(ははっ、侮れねぇ。)」


ロードは外から目を離すとボタンを見ながら、楽しげに顔を歪ますティキに微笑みかけた。


「ティッキーは……」


ああ、俺はお前らを壊して、ボロボロにして、そのポーカーフェイスを歪ましてみたい。
好きだよ。
家族と同じくらいに。
俺はお前らを…
特に秋羅。
お前は何故かオレの心の何処かが何かを求めてる気がして仕方ないんだ。
お前は何故か少年より不思議で惹き付けられる存在だから。

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