3 「ひゃっ」 「いいだろ? なあ」 晴弘は百佑の耳に口をつけて吐息をかけながら囁き、膝を股間に入れてぐっと押し上げた。 唐突な刺激に百佑は目をぱちぱちさせた。 酔っているせいでうまい抵抗の方法が思いつかない。 晴弘は慣れた手つきで百佑のベルトを外してチャックを下ろし、下着の隙間に手を滑りこませた。 直に弱いところを触られた百佑の背筋がぴんと張る。 「あっ、やあっ、だめ、だめですよおっ」 「だめじゃないよ。気持ちいいだろ?」 「ん、ああっ! ん、んん……」 そのまま上下にしごかれて、すぐに体がほてってくる。 巧みな手さばきであっという間に追い上げられ、百佑は顎をのけぞらせてあえいだ。 先走りを塗りこめられるようにして動かされるとたまらない。 最近していなかったのが、あだとなってしまった。 「あ、あっ……あっ」 「ふふ、気持ちいいって顔してるよ、百佑」 晴弘は右手で百佑の立ち上がったものをしごき、左手で胸の尖りをつまんでこねた。 百佑の小さな突起はすぐに固くなり、桜色に染まった。 晴弘はもう片方の突起に舌をはわせた。 「ひゃん! やっ……」 温かくぬめったものに包まれ、百佑はもう声を押さえきれなかった。 くらくらする快楽の中に浸からされ、もうなにも考えられなくなっていた。 百佑の声が甘くなりわずかな抵抗もしなくなると、晴弘はさっと百佑のズボンと下着をはぎとった。 あまりに手慣れ過ぎていて、百佑はいつの間にか下半身がまるだしになっていて首をかしげた。 「あり……」 「かわいいよ百佑」 晴弘はリップ音を立てて軽いキスをし、とろんとした目で見つめてくる百佑に笑いかけると、百佑の両足を持ち上げて大きく開かせた。 後ろの窄まりまで丸見えになり、百佑はさすがにこれには赤面して股間を手で覆った。 「やっ」 「はは、そうしてっと自分でしてるみたいだよ」 百佑はますます赤くなり、困った顔で晴弘を見上げた。 晴弘は柔らかくほほ笑み、身を乗り出して再度口づけた。 「んっんっ……」 晴弘は百佑の唇を挟むように食み、百佑のかわいらしい反応にすっかり気を良くしていた。 口を離すとお互いの舌から糸が引いた。 晴弘は秘部を隠す百佑の手をそっとどけ、先走りをすくった指で秘部の周りをなでた。 すると百佑が少し体を固くしたので、優しく声をかけた。 「お前、初めてだろ? ここ使うの」 「え?」 「え、って……」 きょとんとした百佑に、晴弘は眉をひそめた。 「なに……もしかして初めてじゃないわけ? 誰かをここに入れたことあんの?」 「あ、いや……」 兄としてますとは言えず百佑は口ごもった。 晴弘は真実を見透かすように百佑の目を覗きこんでいたが、不意に指を一本中に突き立てた。 いきなりだったがよく濡らしていたので、さほど抵抗もなく入りこんだ。 指で粘膜をぐにぐにと刺激すると、百佑は足をびくつかせた。 「あっあ、んっ、あんっ」 百佑はひっきりなしに甘い声をあげたが、晴弘は面白くなさそうだった。 「まじで初めてじゃないっぽいな……なんかむかつく」 晴弘は指を二本に増やしてぐちゅぐちゅと抜き差しした。 「ひゃああんっ、ああっ……」 「俺が初めてだと思ったのに。おい百佑、誰とやったんだ」 愛撫を止めて百佑に問いかけるが、理性のとろけきった百佑は首を振るばかりで答えない。 百佑がねだるような視線を向けてきたが、晴弘は無視した。 「おい百佑。お前、誰に足開いたんだよ?」 「んん……」 百佑はかたくなに口を閉ざして首を振る。 しかし意地になっている晴弘は、百佑の高ぶりと秘部に触れたまま動かない。 百佑は快感を取り上げられて体がむずむずしてきてしまった。 「晴弘さあん」 百佑は瞳をうるませて晴弘のシャツをつかんだ。 「早く続き、してえ……」 晴弘はぱかりと口を開けて間抜けな表情になった。 [*←] [→#] [戻る] |